IHIグループのIHI運搬機械(IUK)は、機械式立体駐車場向け遠隔監視保守システムの基盤を自社サーバ上からクラウド基盤へ10月から移行する。NECが9月22日に発表した。
IUKは、全国のマンションやショッピングモールなどに納入した機械式立体駐車場のうち約1100基の保守サービスで駐車場の稼働情報や異常情報などを自動収集する遠隔監視保守システムを運用している。これまで同システムは自社施設のサーバ上で稼働していた。
業務上、遠隔監視保守システムには24時間365日の稼働が求められ、地震や停電、火災などの災害時に備えて事業継続計画(BCP)対応の強化が課題となっていた。今後の事業拡大に備えて柔軟にシステムを拡張できる基盤が求められていたという。
遠隔監視保守システムの新基盤として「NEC Cloud IaaS」を利用する。NEC Cloud IaaSはコストパフォーマンスを追求した「NEC Cloud IaaS(スタンダード:STD)」と、信頼性を追求した「NEC Cloud IaaS(ハイアベイラビリティ:HA)」で構成。IUKは、後者のCloud IaaS(HA)を採用する。
Cloud IaaS(HA)は、基盤自体の信頼性に加え、専門の運用要員による24時間365日の監視で、不測の事態にも迅速に対応できるという。強固な地盤と堅牢な施設、高度なセキュリティに支えられた「NEC神奈川データセンター」から提供されるため、事業継続性の向上に貢献するとしている。
管理対象の駐車場が増えた際も柔軟にシステムの拡張が可能であり、事業拡大に応じてコストを最適化できると説明。IUKが今後展開する東南アジアの機械式立体駐車場でも、遠隔監視保守システムから一元的に監視することで、システム運用を効率化できるという。