UDAの機能拡張、ポートフォリオ拡充に向けて同社は、7月にHadoop内データの管理ソリューションを提供するRevelytixを、8月にはコンサルティング会社の米Think Big Analyticsを買収している。今後の戦略としてKoehler氏は、コンサルティングサービスにも注力していく姿勢を明確にしている。
データ駆動型分析のアプローチは「構え! 狙え! 撃て!」
続いて登壇したTeradata LabsのGnau氏は、データ駆動型分析のアプローチを説明した。
Gnan氏は同アプローチをアーチェリーに例え、「構え(Ready)」「狙え(Aim)」「撃て(Fire)」だと語る。自社のビジネスに必要なデータとその分析環境を準備し(構え)、分析の目的とその手法を明確化し(狙え)、実行する(撃て)。その際に必要なのは、柔軟性を持ったオーケストレーション(Orchestration)で、自社のビジネスにあった「データファブリック(データをメッシュ状に編み上げることで『布』のような『面』と作る)」を構築することだという。

Teradata Labsでプレジデントを務めるScott Gnau氏
「統合化された拡張可能な環境を作り上げるためには、異なる複数のデータソースを1つにまとめ上げる“糸”が必要である。その糸の役割を担うのが『Teradata QueryGrid』だ」(Gnau氏)
QueryGridとは、格納されている複数のデータソースに対し、データロケーションを問わず、データベースや非構造化データを分析するための「Aster」からクエリを実行し、分析結果を得られるようにするソフトウェア。データを移動させたり、分析を別々のプロセスに分割したりする必要がないのが特徴である。双方向のデータ移動だけでなく、プッシュダウン処理(データが配置されているロケーションでの分析)も実行できる。QueryGridは「Teradata Database 15」の機能拡張として搭載されており、Oracle Databaseとも動作連携する。
Gnau氏は、データファブリックを実現する技術として、ソフトウェア「Teradata Loom」を挙げた。同技術は、先に買収したRevelytixが開発したもので、Hadoop上でのデータ経路の把握、メタデータの統合、データの整形や加工処理機能を提供する。
Gnau氏は、「これらの技術でHadoopの扱いに明るくないビジネス現場のユーザーでもデータ駆動型の分析が可能となる」と語る。複数のデータソースが混在する現在の環境を統合し、コンサルティングも含めたユーザビリティの高い分析環境を構築することの重要性を強調し、講演を締めくくった。

QueryGridの概念図。ビジネスサイドの人間でも簡単にデータ分析が可能になるという