人材関連事業で知られるインテリジェンスホールディングスの100%子会社で、コンサルティングやシステム導入、アウトソーシングなどを手掛けるインテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)。
そのインテリジェンスグループならではのIT会社を目指しているという代表取締役兼社長執行役員の長井利仁氏に、同社の事業の特色などを聞いた。
部署の壁を取り払ったオフィスで「働く楽しさ」を実践
代表取締役兼社長執行役員の長井利仁氏
同社の事業の柱は、ITコンサルティング、システムソリューション、アウトソーシング、HITO(Humanity、Intelligence and Talent for Organization)ソリューションの4本。
「このうち3つは請け負うタイプの事業で、顧客も自分たちにも利点があるようにしている」という。
グループではエンジニアの転職支援なども手がけているため、同社も顧客に近いところでエンジニアが仕事をすることを重視し、KPIに「プロパー比率」などを取り入れている。
一方、タレントマネジメントや採用管理など、人や組織に関連するサービス事業が「HITOソリューション」だ。
同社は「はたらく楽しさを一緒につくる」というブランドスローガンを掲げている。この考え方は、社内に限らず顧客に対しても適用され、例えばシステム開発においてはユーザーインターフェースやユーザー体験を重視する、アウトソーシングでは働く楽しさを顧客と一緒に作る、といった形で実践しているとのこと。
オフィスにも「働く楽しさ」を表現した。2013年7月に改装したオフィスのコンセプトは、社員間のコミュニケーションを重視すること。社員の執務空間だけでなく、打ち合わせや会議用スペースまでオープンにした。小洒落たカフェかレストランのような雰囲気をつくり、開放的なオフィスフロアを心掛けたという。
それまでは、多くの企業と同様、各事業やバックオフィスが別々の部屋だった。導入前には「会議室がなくては会議できない」といった反発も多かったが、実際に導入してみると評判は良いという。
「今では、このオープンな場で会議も面接も行っています。内面的な効果としては、既成概念を崩し、不可能と思われているもののを可能にできること。部署などの壁を越えて人と人との間で知恵がつながるようになってきました。また、採用も大きく変わりましたね。『ウチの文化は』と会議室でいくら言ったところで証拠を見せられませんが、この環境でやれば、社員たちが仲良くやっている様子を証明できます。『はたらく楽しさを』という考え方を生で見てもらうことができるのです」(長井氏)
このオフィス改装に加えてさまざまな施策が功を奏し、同社の新卒採用数は前年に比べ1.7~1.8倍になったほか、離職率も3%くらい下がったとのこと。
社員間のコミュニケーションを重視したオフィスづくりを心掛けたという