人工知能が生み出す新たなビジネス領域
米投資家のShivon Zilis氏は2014年12月、人工知能関連でビジネスを展開する企業をコアテクノロジ、企業向け、産業別などのカテゴリ別に分類した「Machine Intelligence Landscape」を公開した。
コアテクノロジでは、人工知能や機械学習、深層学習、画像認識、音声認識、予測APIなどで分類している。企業向けでは、セールスやセキュリティ、詐欺防止、人事、マーケティング、秘書業務、インテリジェントツールに分類している。
産業別では、広告から、農業や教育、金融、法務、製造、医療、ガス石油、メディア、NPO、自動車、小売など、あらゆる分野において利用が始まっている。
HCI(human-computer interaction)では、拡張現実(AR)、ジェスチャー認識、ロボット、感情認識に分類しており、ロボットの分野では、ソフトバンクが唯一日本企業で名前を連ねている状況だ。

出所:Machine Intelligence Landscape 2014.12
「Machine Intelligence Landscape」には、大手企業ではGoogleやFacebook、IBM、Microsoft、そして、百度(バイドゥ)などの大手企業も名前を連ねている。大手企業各社は、自社のサービスに取り込み、新たな収益機会を生み出すためのアプローチを強化していると考えられる。
Googleは、2014年に人工知能を開発するシリコンバレーのスタートアップ企業DeepMind TechnologiesをFacebookとの競合の末、5億ドルで買収した。また、ユーザーの利用パターンを学習する空調システムを展開するNest Labsを32億ドルで買収、2013年にもロボットベンチャー7社を買収するなど、積極的な買収を行っている。
Facebookは2013年9月に人工知能研究所のFacebook AI Researchを開設。2015年1月には音声認識技術を開発するWit.aiの買収を発表し、同じ1月に人工知能のオープンソース開発環境「Torch」の深層学習モジュールをオープンソースで公開すると発表した。
IBMは2014年1月に、2000人規模で構成するWatson Groupの設置を発表し、本格的な事業化に向けて10ドルを投資し、10年間で100億ドルの売上目標を掲げている。
百度は2014年5月に、カリフォルニア州にシリコンバレーAIラボを開設するとともに、人工知能領域で世界的な権威でありStanford大学教授で人工知能のプロジェクトを率いていたAndrew Ng氏を所長に招いている。