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遺伝子検査のもたらす素晴らしくも恐ろしい未来(上)--99ドルで解析も、その先にあるもの

Jo Best (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-08-10 06:30

 ヒトゲノムマップの作成は、科学分野で人類が達成した最大のブレークスルーだ。そして現在、その研究はクラウドとスーパーコンピューティングによってさらなる高みに到達し、驚異的かつ恐ろしい可能性を垣間見せるまでになってきている。


ヒトのDNAは一卵性双生児でもない限り、1人1人すべて異なっている。
提供:Isak Ivan/iStockphoto

 英国在住のDan Lane氏は「Next Big Thing」に対して常に強い関心を抱いている人物だ。同氏は「Google Glass」の初期バージョンを所有しており、10年前に最初のRFIDチップを体内に埋め込んでもいる。テクノロジ分野に身を置く同氏は、常に最新のガジェットや新しいサービスを試すことに余念がない。このため、顧客自身のDNAに対する洞察を提供するという触れ込みの企業23andMeの英国展開を耳にした際、同氏はそのサービスを試してみることにした。

 23andMeのサービスに申し込むと、小さな試験管が郵送されてくる。そこに自分の唾液を封入し、分析のために返送することになる。少量の唾液にそれほどの情報が含まれているとはにわかには信じがたいが、その中には口腔内の細胞がいくらか混じっており、その細胞それぞれにゲノム全体、すなわち「あなた」を「あなた」たらしめているすべてのDNAが保存されているのだ。このため、試験管が23andMeに到着して数週間もすれば、あなたのDNAの情報が分析され、結果が返ってくるというわけだ。

 23andMeのようなサービスを使ってゲノムを分析すれば、生物学的な形質に関するさまざまな情報が得られる。特定の薬剤に対する反応や、特定の疾病に罹患する確率、子どもに受け継がれる性質、肉体的特徴(例えば、耳垢の乾湿具合や、コリアンダーの石けんのような臭いを楽しめるかどうか)までもが明らかになる。

 Lane氏の元に配達されてきたテストキットは、数週間机の上に置かれたままになっていた。その後、同氏は試験管に唾液を封入したが、それっきり忘れていたため、実際に返送したのは1週間後だった。

 同氏は、このサービスが「オタク好みの高価なお遊び」のように感じられ、「興味深い結果が出てくるかどうか試してみようと思った」と述懐している。

 「試験管を返送した後、私は母と話をする機会があったため、DNAテストを受けていることを何気なく話した。その時、母親は何も言わなかったが、おそらく『あぁ、なんてことを!』と思っていたのではないかと思う」(Lane氏)

 そして実際に、興味深い結果が返ってこようとしていた。

 数週間経った後、分析が終了した。Lane氏宛てに、DNAの分析結果が出そろい、オンラインでアクセスできるようになったという電子メールが届いたのだ。同氏はヒトの遺伝子がどのように自らの姿形を作り出しているのかに興味を持っていたが、23andMeのサービスに含まれている祖先の情報、すなわち父方と母方のDNAが世界のどの地域に出自を置いているのかについてはあまり興味を感じていなかった。自らの両親がいずれも、標準的な欧州型の遺伝子であることを確信していたためだ。

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