Googleの共同創業者であり最高経営責任者(CEO)でもあるLarry Page氏は米国時間8月10日、同社再編後のCEOの座をSundar Pichai氏に引き継ぐと発表した。Pichai氏は「Google Chrome」ブラウザと、クラウドベースのノートPC向けOS「Chrome OS」の生みの親であり、「Android」の開発および拡張を率いてきた43歳のGoogle社員だ。
GoogleのSundar Pichai氏(提供:Google)
Pichai氏の指名は当然だという人もいるはずだ。Microsoftは2014年の初めに同社の次期CEO候補として、Pichai氏と交渉したようだが、最終的に南インド出身のSatya Nadella氏をCEOに指名した。このような状況のなか、人材流出の危機を察知したGoogleがPage氏の後継としてPichai氏を選んだことは驚くに値しないだろう。
Pichai氏の昇進は、ここ10年でよく見かけるようになってきた、インド人が世界的な企業のトップの座につくという人事における最新の例となっている。その他の有名な事例として、PepsiCoのプレジデント兼CEOであるIndra Nooyi氏やMasterCardのトップであるAjay Banga氏、Deutsche Bankにおいて共同でトップを務めたAnshu Jain氏などが挙げられる。
そんななか、テクノロジ業界においてインド人CEOは大きく数を増やしている。2014年にNadella氏がCEOに就任した直後の米ZDNetの記事で筆者が紹介しているように、(Nadella氏以外に)少なくとも5人のインド人が世界的なテクノロジ企業のトップを務めている。そしてそのうちの4人は、経営状態が思わしくない企業を再浮上させるという、業績回復の達人だ。
もちろんながら、シリコンバレーにはインド人がたくさんいる。実際のところ、インド人であふれている。そして、Vivek Wadhwa教授の2014年の調査によると、シリコンバレーの新興企業の15%はインド亜大陸の人間によって起業されている。移民者が設立したテクノロジ企業の数を彼らの出身国別に見ると、インドが他の国を圧倒しており、2位以降の4カ国(英国、中国、台湾、日本)を合わせた数よりも多くなっているのだ。
新興企業の起業者にインド人が多いという事実はさておき、世界的なテクノロジ企業のトップにインド人が起用されているという事実に何らかの意味があるとすれば、それはインド人の持つ特質と関係があるはずだ。
テクノロジ企業のトップにインド人が向いている理由とは何だろうか?中国や日本、あるいは欧州からの移民も多いなか、なぜインド人が数で勝っているのだろうか?