海外コメンタリー

グーグルもマイクロソフトも--なぜ米IT企業はインド人CEOを好むのか

Rajiv Rao (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-08-27 06:15

 Googleの共同創業者であり最高経営責任者(CEO)でもあるLarry Page氏は米国時間8月10日、同社再編後のCEOの座をSundar Pichai氏に引き継ぐと発表した。Pichai氏は「Google Chrome」ブラウザと、クラウドベースのノートPC向けOS「Chrome OS」の生みの親であり、「Android」の開発および拡張を率いてきた43歳のGoogle社員だ。


GoogleのSundar Pichai氏(提供:Google)

 Pichai氏の指名は当然だという人もいるはずだ。Microsoftは2014年の初めに同社の次期CEO候補として、Pichai氏と交渉したようだが、最終的に南インド出身のSatya Nadella氏をCEOに指名した。このような状況のなか、人材流出の危機を察知したGoogleがPage氏の後継としてPichai氏を選んだことは驚くに値しないだろう。

 Pichai氏の昇進は、ここ10年でよく見かけるようになってきた、インド人が世界的な企業のトップの座につくという人事における最新の例となっている。その他の有名な事例として、PepsiCoのプレジデント兼CEOであるIndra Nooyi氏やMasterCardのトップであるAjay Banga氏、Deutsche Bankにおいて共同でトップを務めたAnshu Jain氏などが挙げられる。

 そんななか、テクノロジ業界においてインド人CEOは大きく数を増やしている。2014年にNadella氏がCEOに就任した直後の米ZDNetの記事で筆者が紹介しているように、(Nadella氏以外に)少なくとも5人のインド人が世界的なテクノロジ企業のトップを務めている。そしてそのうちの4人は、経営状態が思わしくない企業を再浮上させるという、業績回復の達人だ。

 もちろんながら、シリコンバレーにはインド人がたくさんいる。実際のところ、インド人であふれている。そして、Vivek Wadhwa教授の2014年の調査によると、シリコンバレーの新興企業の15%はインド亜大陸の人間によって起業されている。移民者が設立したテクノロジ企業の数を彼らの出身国別に見ると、インドが他の国を圧倒しており、2位以降の4カ国(英国、中国、台湾、日本)を合わせた数よりも多くなっているのだ。

 新興企業の起業者にインド人が多いという事実はさておき、世界的なテクノロジ企業のトップにインド人が起用されているという事実に何らかの意味があるとすれば、それはインド人の持つ特質と関係があるはずだ。

 テクノロジ企業のトップにインド人が向いている理由とは何だろうか?中国や日本、あるいは欧州からの移民も多いなか、なぜインド人が数で勝っているのだろうか?

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]