「情報通信白書」に見る情報通信政策の過去、現在(3) --ICTによる雇用への影響 - (page 3)

田島逸郎

2015-10-28 07:30

暮らしの未来とICT

新たな端末の登場

 PCや携帯電話、スマートフォンと変化を続けてきたICT端末は、今後さらなる多様な形で生活に密着するような形になりつつある。情報通信白書では、ウェアラブルデバイス、オートノマスカー、パートナーロボットについて取り上げている。

 ウェアラブルデバイスは、身体に身につけるICT端末のことで、腕時計、メガネ型などさまざまなものが登場している。「Google Glass」などのメガネ型、「Apple Watch」などの時計型、Jawboneの活動量計である「UP3」などのリストバンド型が代表的で、スマートフォンなどとは異なるユーザーインターフェースやセンサを搭載している。

 ウェアラブルデバイスの市場規模は急拡大しており、国内で2017年に1310万台に達する見込みである。特に時計型やリストバンド型の普及が進むと予測される。消費者の認知度については、「聞いたことはあるが内容はよくわからない」が4割を占めた。特に医療や健康に関心のある人の認知度が高く、「利用したい」と答えた人も多かった。一方健康管理サービスを利用したくない理由としては、常に着けるのが面倒、価格が高い、必要性を感じないなどが多かった。


ウェアラブルデバイスの主な用途 出典:「平成27年版情報通信白書」(総務省)

 コネクテッドカーはICT端末としての機能を有する自動車のことで、車両の状態や道路状況などをセンサで取得しネットワークと連携することができる。事故時の緊急通報システムや、運転に応じた保険料を算出するテレマティクス保険、盗難車両の追跡などの応用例がある。オートノマスカーは自動で目的地まで走行する車で、道路の特徴などを感知する自律型と、周囲のシステムと連携する協調型に分かれる。消費者の利用動向としては、コネクテッドカー、オートノマスカーの両方とも「利用したい」「利用を検討してもよい」の合計が過半数を占めており、特にシニア層での活用が多いのが特徴的である。一方、オートノマスカーでは故障時の対応や、人が自己責任で運転すべきといった利用したくない理由が挙げられた。


オートノマスカーの利用意向(年代別) 出典:「平成27年版情報通信白書」(総務省)

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