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大きなうねりは始まったばかり--AWSの2016年 - (page 3)

末岡洋子 怒賀新也 (編集部)

2016-01-02 07:00

――これまで、年単位の時間をかけてERPを導入する企業が多かった。クラウドにより短期間でアプリケーションを導入できるようになったことで、新たな可能性も出てきていると聞く。

 ある顧客の場合、アジアに迅速に展開しました。これまでなら人を派遣したり、現地でパートナーを見つけたりなどの1年がかりの作業が必要でしたが、4~5カ月で日本国内でSAPのアプリケーションを稼働させ、アジアでも一気に使い始めました。

 AWSの良いところは、プログラム可能なインフラであるという点です。アプリもインフラも関係なく、やりたいことをすぐにできる世界を、というAWSが誕生時に目指した世界に近づきつつあります。クラウド導入により、核となる業務に集中できる、または新しいビジネス手法を展開できるようになったと実感している顧客は多いようです。

――今後の製品戦略の方向は?

 AWSは、ECサイトであるAmazonが成長する際に、ビジネス側の痛みを解決するために生まれました。サーバ調達に時間がかかる、エンジニアがメンテナンス作業に時間をとられている、などの痛みで、サーバ、ストレージから始まりました。これをサービスとして多くの顧客に使ってもらうにしたのです。その後は、顧客が抱えている痛みや要望を基にサービスを構築し、提供するようになり、現在に至っています。

 われわれはIaaS、PaaS、SaaSといった分類をしていません。顧客の声に応じるものか、必要としているものであるかを軸にサービス開発しているからです。ロードマップは顧客の声で決まっているので、しばしば変わります。

 これから先どういう製品戦略か――われわれ自身は分かりません。3~5年前に現在のAWSを想像できた人はいないでしょう。既に、サーバとストレージのリソースを仮想的に提供するサービスだけではなくなっています。イノベーションの速度を緩めることはありあせん。これから2、3年、また違った世界を提供できることでしょう。

AWSはAmazonを超えるか

――米国のAmazonが2015年より決算でAWSの業務報告を開示した。予想以上の収益性の高さに驚く声もあった。主事業が電子商取引からAWSに逆転するのでは、といった見方をする人もいる。

 しかるべきタイミングがきたので開示に至ったまで。決算発表の前と後で何も変わっていません。Andy(米AWSのシニアバイスプレジデント、Andy Jassy氏)は「Amazonのこれまでのビジネスモデルを超えるビジネスになる可能性がある」とよく言っています。年間70~80%増で成長しているITの会社はなかなかありません。この規模で伸びるのは簡単ではありませんが、これまで約9年パイオニアとしてやってきた経験、それとイノベーションがあるからだと考えます。

 AWSは、コストの還元をモットーとしており、これまで約50回値下げをしました。競合のプレッシャーがあって価格を下げたのではなく、今後も継続します。これは簡単なことではありません。ノウハウ、オペレーションのスキームなどを理解できているからこそ、継続的な値下げを実施できるのです。

 東京リージョンはまだ5年足らずです。ここ数年で大企業顧客がクラウドファーストを標ぼうし始めており、ITの大きなうねりははじまったにすぎません。今後われわれが日本企業のグローバル戦略や競争力強化に役立つか、ITをコストではなくプロフィットとして使えるようにしていくか――ここに尽きると思っています。まだはじまったばかりなのです。

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