ThunderとIoT Cloudに関する筆者の見解
顧客の高い期待に応えるのは一筋縄ではいかない。しかも、Salesforceは自社における厄介な技術的障害も乗り越える必要がある。例えば、Waveの洞察機能に関して言えば、データは翌日回しになるのが一般的だが、最新の配備ではデータ更新のレイテンシは1時間程度に低減されている。しかし、IoTのシナリオの多くでは、ほぼリアルタイムでの分析が必要となるため、同社は現在もこの問題に取り組んでいるところだ。
Dayon氏らによると、同社のIoT戦略は顧客関係管理(CRM)に軸足を置いたユースケースに特化することになるというが、筆者の考えではビッグデータのスケーラビリティやストリーミングデータの処理、それに関する分析機能すべてが、WaveレベルとIoTプラットフォームレベルで備わっていなければならない。またSalesforceは、同社が提供できる、そして提供すべきものと、パートナーに任せておけるものとともに、将来的にAmazon Web Services(AWS)のクラウドや、Microsoftの「Microsoft Azure」といったハイパースケールクラウドパートナーに頼る必要があるかもしれない領域についても見極めなければならない。
ここで、Salesforceという企業全体の未来(そして2015年にMicrosoftによる合併という話が出てきた理由)について深く斬り込む必要がある。データを用いた意思決定に関するわれわれの調査から判断すれば、SalesforceはIoTやデータサイエンスといった能力に対してより本格的に取り組む必要があると言うだけで十分だろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。