総務省は2月2日、「ICTインテリジェント化影響評価検討会議 第1回」を開催した。筆者も本検討会議の構成員の1人として参加している。
人工知能(AI)を実装するロボットなどに代表されるスマートマシンなどのICT分野における技術革新などにより、従来は人間だけに許された頭脳労働などの活動について、機械による人間の支援や代替が技術的に可能となる結果、社会が大きく変化していくことが予想されている。
この検討会議では、これらの動向を踏まえ、目指すべき社会像やその基本理念を検討するとともに、インパクトスタディおよびリスクスタディにより、当面の課題を整理することを目的としている。
目指すべき社会像の素案は、
人間がインテリジェントICTと共存し、情報・知識を自由かつ安全に創造・流通・連結して知のネットワークを構築することにより、あらゆる分野におけるヒト・モノ・コト相互間の協調が進展し、もって創造的かつ活力ある発展が可能となる社会
とし、基本理念の素案では、以下の7つをあげている。
- すべての人々による恵沢の享受
- 個人の尊厳と自律
- イノベーティブな研究開発と公正な競争
- 制御可能性と透明性
- ステークホルダーの参画
- 空間を越えた協調による活力ある地域社会の実現
- 分散協調による地球規模の課題の解決
本検討会議では、公共分野、生活分野、そして、産業分野において、2040年までを見据えたICTインテリジェント化の影響に関する展望を示している。
事務やコールセンターなどの分野共通のコーポレート業務では、「バックオフィス業務の自動化の進展」や「AIが一部の自動結成権限を持つ」、「コールセンターにおけるAIによる自動応答」などが示されている。
筆者は「スタートアップ企業が事業を立ち上げる際のコストが低下、優秀な人材の採用や育成コストの抑制」を提示しているが、事業の立ち上げ時に人を採用して育成するよりも、AIを活用して事業の規模やスピードに対応していくアプローチも増えていくと予想される。
総務省:<分野共通(コーポレート業務等)>ICTインテリジェント化影響評価検討会議(第1回)2016年2月