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次世代CIO

デジタル化への処方箋--IT部門の創造的破壊のために

高橋秀

2016-04-26 07:00

 既存新規を問わず、テクノロジの使い方、組み合わせ方でイノベーションが起きています。まさに、Digital Disruption――つまりデジタルによる創造的破壊が目の前で起きているのです。

 SMACS(Social、Mobile、Analytics、Cloud、SecurityまたはSensor)といったテクノロジでなく、IoT(モノのインターネット)、DevOps (ビジネススピードに合わせた開発と運用の連携)といった創造的破壊は、1980年代に登場した製造業におけるリーン生産方式(プロセス管理の効率化により多品種高品質な生産を可能にすること)が与えた衝撃に匹敵していると言われています。これは一方で、ビジネスに関わるあらゆる利害関係者がデジタルイノベーションへ何らかの期待をしているという状況も生み出しています。

 デジタルイノベーションによりビジネスを取り巻く環境も変わり、従来のIT基盤だけでは今のビジネス要求に耐えられなくなってきています。デジタルの活用に当たっては、ITコンサルタントやITベンダーがさまざまな製品やサービスを提案していますが、一方で、それを活用する企業の側、特に情報システムに責任を持つ最高情報責任者(CIO)をはじめとするITリーダーの役割も変わってきています。

 本連載では、ITリーダーに向けて、知っておくべき時流、事例、そしてなにより実践するための短期施策、つまり“クイックウィン”をご紹介していきます。

IT部門を襲う同時多発的な厄災

 IT予算は削減され、サポート対象は爆発的に増え、人はいないのに、デジタルの優先度が上がっていく。――そのような状況がすぐそこに差し迫っています。例えば、下記は2015年のGartnerの調査結果を中心にまとめたものです。

  • 各CIOは、2020年までに、自社の収益の41%をデジタルから得るようになると予想している。
  • CIOの66%が、現在、人材危機が生じていると回答している
  • 2018年までに、60億個の接続されたモノがサポートを必要とするようになる
  • 経営幹部の79%は、自分がテクノロジに関する意思決定をIT部門よりも適切かつ素早く行うことができると考えている
  • 2016年に、IT予算はたった2%しか増加しない可能性があり、IT部門は既存予算の用途を変更することを余儀なくされる

1つより2つのアプローチ

 ITリーダーは2つの課題に直面しています。1つは“コアITシステム”ともいうべき基幹システムの維持管理効率化、セキュリティ保護です。もう1つは、新しいテクノロジによる新しいビジネス手法を発見していくことです。これら2つの課題を「コアの最適化」「ビジネス革新」と呼ぶことにし、この2つの課題は、ITによる2つのアプローチにより解決されていきます。

  • 信頼性、コスト効率性、IT主導型のカルチャーを重視する予測可能型アプローチ この手法は、計画を立て、それを承認し、長いサイクルで実行・維持管理していくタイプです。IT部門は、ビジネスを維持するために必要なことを、より適切に、迅速に、安価に実施する方法を見つけることができます
  • 俊敏性、収益性、ブランド、顧客といったビジネス主導型のカルチャーを重視する探索型アプローチ このアプローチは実験的で、ガバナンスを維持しつつ、期間を月ではなく日数で表現するような短期サイクルで実施されるアプローチです。この手法では、IT部門は失敗を許容されるべきです。なぜなら、実験的な取り組みは安価で短期に実施されるため大きな損失は生みませんが、失敗するたびに企業は学習を繰り返し、目標としている成功に近づくことができるからです

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