本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、ニュータニックス・ジャパンの安藤秀樹 日本法人代表と、東京大学大学院の須藤修 情報学環教授の発言を紹介する。
「ハイパーコンバージドインフラはiPhoneのようなプラットフォームだ」 (ニュータニックス・ジャパン 安藤秀樹 日本法人代表)
ニュータニックス・ジャパンの安藤秀樹 日本法人代表
米Nutanixの日本法人であるニュータニックス・ジャパンが先ごろ、事業戦略に関する記者説明会を開いた。日本法人代表でマネージングディレクターを務める安藤氏の冒頭の発言はその会見で、Nutanixが草分けとして市場を開拓してきたハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品についてiPhoneを引き合いに説明したものである。
Nutanixは、Gartnerが公表している「Integrated Systems」(統合型システム)分野におけるマジック・クアドラント(2015年版)において、CiscoやEMC、Oracle、HPといった大手とともに「リーダー」と評価され、急成長している新興ベンダーである。
安藤氏によると、2009年に創業したNutanixは2011年にハイパーコンバージドインフラ製品を投入し、現在までに世界80カ国で約2600社への導入実績があるという。
同社が開発したハイパーコンバージドインフラ製品とは、サーバとストレージ、仮想化機能などを統合してITインフラのシンプル化を図り、ユーザー企業がアプリケーションやサービス対応に集中できる環境を提供しようというものだ。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャの概要
会見で説明があった同社製品の最新動向については関連記事を参照いただくとして、ここでは安藤氏の冒頭の発言に注目したい。ハイパーコンバージドインフラが「iPhoneのようなプラットフォーム」とはどういうことか。同氏は次のように説明した。
「iPhoneは電話やネット接続、カメラ、GPS(全地球測位システム)機能などを装備した多目的端末といえるが、その真髄はそれらの多様な機能を使えるようにしたプラットフォームであることだ。プラットフォームとしての最先端技術が小さな筐体に凝縮されているが、ユーザーはそんなことを全く意識せずにさまざまなアプリを利用している。ハイパーコンバージドインフラのコンセプトもこうしたプラットフォームとしてのiPhoneと同じ発想だ」