クラウドの値打ち

クラウドの先--「成果報酬型ITシステム」への道(後編)

戸賀慶 小原 誠 2016年11月08日 07時00分

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 クラウドの本質的な価値や導入を成功させるための要点をまとめ、日本の企業ITの在り方を掘り下げる連載の最終回となる。前編に続き、今回は後編だ。

IT部門の立場から見た「クラウド」導入のポイント

 旧来のオンプレミスやプライベートクラウドと、クラウドサービス(パブリック/仮想プライベートクラウドサービス)との違いについて改めて振り返りながら、クラウド導入・利活用のポイントを考えてみる。

(1)少額・短期間でも簡単に利用できる

  • クラウド利用のメリットの1つは、導入や利用の手軽さ(工数・期間・初期費用負担)である。これが逆に、無秩序なITシステムやサービスの乱立(「シャドーIT」化)リスクもはらんでいる。このリスクに備えるには、IT部門がクラウド利用の窓口となり一元管理するとともに、外部のクラウド利用仲介サービスを利用するという対策も考えられる

(2)ITインフラストラクチャの導入がセルフサービス化される

  • ITインフラストラクチャの導入がセルフサービス化され、サーバ環境を容易に構築・廃棄し、またサーバ環境を保存、複製できるようになる
  • この利便性を享受しTTM短縮要件への対応と運用保守品質の維持向上を両立させ、その先の価値創出につなげるためには、アジャイル開発手法に対応した開発標準やプロセスの整備、アプリケーション/インフラストラクチャと開発保守/運用の2軸での体制・担務範囲の再定義と協調文化の醸成(Dev & Ops)が必要である。また、これらの観点を盛り込んだ導入計画(Cloud Journey)を策定することも必須だ

(3)「モノ」や「ヒト」の管理から「サービス」の管理となる

  • ITインフラストラクチャがサービス化されることで、モノ、ヒトが隠蔽され、サービスレベル合意書(Service Level Agreement:SLA)ベースで管理していくこととなる。IT部門は、さまざまなクラウドサービスを、機能と単価だけではなく、コスト削減工夫の余地、SLAの妥当性、契約条件を要件に照らし合わせて比較・検証し、適切なサービスを選定する「目利き」となる必要がある
  • さらにIT部門には、クラウド導入によるコスト削減やTTM短縮の効果を実現しつつ同時に運用保守品質を向上させていくために、クラウドを前提とした新たなシステム設計・運用設計を整備し、率先して展開する「旗振り役」としての役割が求められる

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