NECは2月14日、日本オラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud」を販売すると発表した。NECのデータセンター設備を使って、2017年第2四半期(4月~6月)に提供開始する。サービスの名称やサービスメニュー、価格などは未定。
ユーザーが利用できるサービスは、日本オラクルが提供しているOracle Cloudと同じ。具体的には、仮想サーバ環境や、データベースサーバやアプリケーションサーバなどのシステム構築基盤を、従量課金型で利用できる。
サービスの利用形態も、日本オラクルのOracle Cloudと同じ。基本的な使い方として、NECのデータセンターに設置したクラウド運用基盤から、クラウドサービス型で利用できる。これに加え、ユーザー企業のオンプレミス環境にクラウド運用基盤となるサーバハードウェアを設置し、これを従量課金型で利用する使い方もできる。
Oracle Cloudと同じ環境をNECのデータセンターからサービス提供する。NECの既存のクラウドサービスや保守サービス/システム構築サービスと組み合わせて提供できる
NECからOracle Cloudを購入するメリットとしてNECは、NECの既存のクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」とデータセンター内の構内接続によって連携できる点や、SIベンダーとして保守サービスやシステム構築サービスと組み合わせられる点などをアピールする。
NECで執行役員を務める橋谷直樹氏(左)と、日本オラクルで執行役副社長クラウド・テクノロジー事業統括を努める石積尚幸氏(右)
サービスの提供に当たってNECは、Oracle Cloudに対応可能な人材を強化する。今後3年間で、1500人のエンジニアを育成する。対象システムも基幹システム以外へと広げ、2020年までに1500億円の事業創出を見込む。
なお、今回のサービスの前提には、日本オラクルのサービスで、オンプレミスシステムとしてサーバ機を導入しながらOracle Cloudと同じ環境を従量課金型で利用できるサービス「Oracle Cloud at Customer」がある。NECは今回、Oracle Cloud at CustomerをNECのデータセンターに導入し、これをNECの顧客に再販する形でクラウドサービスを提供する。
SIベンダーによるOracle Cloudの販売例としては、今回のNECのほかに富士通がある。