堀田氏はこのViyaについて、「SASにとっては製品として大きな革新を図ったものだが、それと同時にSAS自身のカルチャーも変革していく必要がある。Viyaを強力に推進していくためにも自己変革を遂げていかなければならない。2017年度はその節目の時になる」と語った。
ViyaはSASがこれまで40年かけて蓄積してきたアナリティクス技術の集大成ともいえる製品というのが筆者の印象だ。同時に、これを生かしていくためには、SAS自身が変わらなければいけないというのが、堀田氏の問題意識である。SASにとってはまさしく一大イノベーションへの挑戦といえよう。
「IoT時代に向けてSDNの利点を一層訴求していきたい」 (NEC 北風二郎 事業部長)
NECの北風二郎 事業部長
NECが先ごろ、企業向けSDN(Software-Defined Networking)事業を強化し、導入・運用負担を軽減する製品・サービスの提供や中堅・中小企業向け市場への注力とともに、インフラシステム構築事業者との連携によるSDN活用領域の拡大などを行うと発表した。同社のスマートネットワーク事業部を率いる北風氏の冒頭の発言はその会見で、IoT(Internet of Things)の活用に向けてSDNが有効であることを訴えたものである。
発表内容の骨子は、NECがこれまで600システムを超える導入実績で培ったSDN構築やネットワーク運用のノウハウを基にした「新マネージドWANサービス」など、導入・運用コストを軽減化するネットワークサービスメニューを順次提供。また、中堅・中小企業ユーザーへの導入促進を目的に、従来の同社対応製品(コントローラとスイッチ)で構成した場合と比較し、およそ10分の1の低コストで構築が可能な製品の投入や、販売パートナーの販売・設計・構築・運用面をサポートする「SDNサポートセンター」を新設するというものだ。
それら製品・サービスの詳細については関連記事をご覧いただくとして、ここではSDN市場の動向に注目したい。
北風氏は、「SDN技術はこれまで大手企業のLANを中心に、運用効率化とセキュリティ対応などを目的として導入されてきたが、IoT時代では企業の規模に関係なく、導入が加速していくことが見込まれる」と説明。これからのSDN市場は、「より手軽に、素早く利用可能になる」一方、「IoTの広がりとともに、現場でのネットワーク利用が進化する」という2つの方向に発展していくとの見解を示した。
SDN市場の動向
そのうえで、NECでは今回、SDNの導入をより容易にするため、サービスの拡大や製品ラインアップの強化、販売パートナーへの支援強化を実施。また、現場での利用価値を創出するため、業種を超えた連携を進めていくことを打ち出した。
ちなみに、同社の最近の新規ネットワーク案件では、SDNを対象にした内容が7〜8割に上っているという。また、同社のネットワーク事業全体から見ると、売り上げ規模でおよそ4分の1がSDNベースになってきており、「2018年度にはそれが半数以上になる」と、北風氏は予測する。
SDNが注目され始めた当時、果たして既存のネットワーク環境のどれほどの割合がどれくらいの期間で移行していくのか、さまざまな予測が飛び交ったが、北風氏の話によると、着実に移行しつつあるというところか。同氏はさらに「IoT時代になればSDNの需要は加速する」と強調した。その動向を今後も注目しておきたい。