海外コメンタリー

オラクルのクラウド戦略--成功の鍵は顧客中心主義にあり - (page 4)

Michael Krigsman (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-11-22 06:30

Ward-Dutton氏:Oracleは、顧客関係にフォーカスし、その関係を緊密なかたちで維持していくために自社の文化を変革しています。ただ、企業の契約更新率が高くない場合、長期的には自身を苦境に追いやることになります。

 われわれは、新たなテクノロジの波がAI関連や、ロボティクス関連、機械学習関連といったものごとを主導する立場にいる人々の意識に入り込んできているのを目にしてきています。確かに、同社がチャットボットをベースにしたチャネルや、AIフレームワーク、機械学習で行っていることを見た場合、またブロックチェーンで行っていることですら、小さな紙切れにラベルを貼りつけるだけではありません。同社はこういったことを、深く考えたうえで極めて真面目に追求しています。これは勇気づけられるしるしと言えるでしょう。

 OpenWorldにおけるプラットフォームビジネスというコンテキストから見ても、Oracleは指をくわえて見ているわけではありません。同社は及第点以上のものを目指しています。私は、同社には多くのポジティブな点があると考えています。

Fauscette氏:ビジネスにおけるテクノロジは、他社との差別化、すなわち競争上の優位性を実現するためのものという側面が強まってきています。企業は、テクノロジと人を適切に結びつけることで、競合他社に先んじられるようになるのです。

 AIやIoT、ブロックチェーンという話が出てきました。こういったテクノロジが世の中に出回り、企業も導入を始めていますが、このようなテクノロジはそれ自身で何かをしてくれるわけではありません。デジタルインフラやプラットフォームに埋め込まれ、企業が発展していくうえでの血肉となるのです。

 こうしたもの(プラットフォーム)を持つことは重要です。顧客はまだ全然使っていないかもしれません。また完全なかたちで運用できていないかもしれませんが、OracleやSalesforceといった企業が現時点で投資を行っているパートナーであり、テクノロジとその利用方法の進歩にともなって彼らの投資と進歩も続いていくということは知っておく必要があります。

 デジタルビジネスは長い旅であり、企業は旅の道連れを必要としています。私は、今年に入り同社の顧客から、Oracleがテクノロジパートナーとして一段高い役割を演じるようになり、文化と技術の変革という顧客の旅に付き添うようになったという話をよく耳にするようになりました。

——Herbertさん、ソフトウェアスイートという選択と、最善のソフトウェアを組み合わせるという選択について語ってもらえませんか?

Herbert氏:Oracleはクラウドに向けて大きな投資を行ってきています。既に企業資源計画(ERP)や人的資本管理(HCM)、顧客関係管理(CRM)、サプライチェーンなどの分野におけるコアアプリケーションの大半は、クラウド内で利用可能になっています。

 アプリケーションのクラウドへの移行に関するOracleの戦略で注目に値するのは、同社が非常に包括的なポートフォリオを有している点です。われわれは、クラウド分野における大手企業、特に純粋なクラウドのみの状況について語ることもできますが、Oracleはクラウド上で非常に包括的なスイートを提供しています。

 私とともに仕事をしているクライアントの多くは、プロバイダーの数は少ない方がよいと考えています。最善のソフトウェアを組み合わせるというのは確かに現在の流行ですが、最善の組み合わせに走りすぎるのはよくありません。ベンダー管理に関する実務上のコストが増えるうえ、ソフトウェアを小さな単位でさまざまなところから購入することになるため、大きな割引を受けるのが難しくなるのです。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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