IT企業の年頭所感

IT企業の年頭所感2018(7)--デジタル変革の具体的な成果を出す - (page 2)

ZDNET Japan Staff

2018-01-05 12:00

トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦


トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏

 2017年は、WannaCryを始めとした、データを暗号化し復旧の見返りに金銭を要求するランサムウェアにより、法人/個人が甚大な被害を受けました。国内法人組織の約4割が個人情報漏えいなどのセキュリティの重大被害を経験し、年間被害額は過去最高の平均2億3177万円(同社調べ)と、サイバー攻撃がビジネスの根底を揺るがす事象になったと言えるでしょう。

 では、2018年はどのような年になるでしょうか。トレンドマイクロは、IoT(モノのインターネット)などつながる世界において、いかにして重要なデータやインフラの安全を確保していくべきかに焦点があたる1年になると考えます。そのためには、変わりゆく環境とユーザの行動変化を捉え、その上で適切な対策を講じるという基本に立った取り組みが必要となります。また、セキュリティへのAI(人工知能)技術の革新的な実装についても注目を集めるでしょう。膨大な守るべきデータが存在するつながる世界をAIの活用なしに脅威から守ることはできません。ただし、最終判断をするのは人であり、問題解決のためにAIの活用方法を考えるのも人です。そのため、人のインテリジェンスがとても大切になっていきます。

 サイバー犯罪者は、最終的な目的である金銭や金銭につながる情報の窃取を行うために、より効率的に金銭を窃取することができるビジネスメール詐欺や、ランサムウェアなどを2018年も引き続き用いるでしょう。また、セキュリティソフトが導入できないIoT機器にビットコインなどの仮想通貨発掘(マイニング)ツールを不正にインストールする、セキュリティソフトが利用する機械学習を用いた対策を回避する不正プログラムを用いるなど、より巧妙な攻撃も増加するでしょう。このようなサイバー犯罪者に企業や組織が立ち 向かうには、さまざまな脅威に対応するクロスジェネレーションのセキュリティ技術を採用し、全ての防壁層でリスクを最小限に抑えることが求められます。

 トレンドマイクロでは、メールやウェブなどのレピュテーション、挙動監視、機械学習など、成熟した技術と新しいAI技術の組み合わせによるセキュリティアプローチ「XGen」コンセプトに基づいたソリューション提供を引き続き推進し「デジタル情報を安全に交換できる世界の実現」を目指します。

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