IT企業の年頭所感

IT企業の年頭所感2018(8)--セキュリティの確保が全ての基盤になる

ZDNet Japan Staff 2018年01月12日 07時00分

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ベリタステクノロジーズ代表執行役員社長 大江克哉

 2017年は、「360度データ管理」のポートフォリオをさらに拡張し、複数のクラウドへのデータの分散、全社的なデータガバナンスの複雑化への対処を進めました。弊社のアプローチは、情報を有効資本として活用させる新ソリューションとして、マルチクラウドの導入に取り組む多くの企業から好評を得ました。

 特に、AWS、Microsoft、Google、IBMといったパブリッククラウドプロバイダーとのパートナーシップ拡大により、オンプレミス環境と同等のデータ可視化と保護、データガバナンスをマルチクラウド環境でも実現可能にし、また、Nutanixとのパートナーシップを拡大し、活用するハードウェア、ハイパーバイザー、またはクラウドの選択による制約を受けずに、広範なエンタープライズワークロードの保護を提供しました。

 さらに、データ増大に伴うコスト、パフォーマンス、俊敏性といった要求を満たすために、ベリタスを代表するSDS(Software Defined Storage)のラインナップを次々に発表しました。

 ベリタスは、2018年にみられるデータ管理の動向について、以下5つの予測を立てています。

  1. IT部門には、クラウドデータ管理とコスト削減を進める責任が求められるようになる

  2.  弊社の調査によると、69%もの企業がデータ保護、データプライバシー、コンプライアンスの責任がクラウドサービスプロバイダーにあるという誤った認識を持っています。加えて、多くの企業ではコストを考慮することなく無秩序にマルチクラウドの導入を進めている現状も考えると、2018年には、より厳しい要求がIT部門に突きつけられる可能性があります。例えば、データ漏えいが発生したことによってIT部門の管理責任を追及されたり、最高財務責任者(CFO)からインフラコストのより大幅な削減を要求されたりするかもしれません。

  3. 生成されるデータは著しく増え続ける一方、データストレージの消費は鈍化する

  4.  弊社の調査によると、2017年、データの年間増加率は48.7%と大幅な伸びを見せ、驚異的な速度で高コストのストレージ容量を消費していました。ところが実際には、企業が保存していたファイルの50%以上は素性が不明だったことが判明しています。2018年以降、「ストレージに何もかも保存」という考え方から、「基幹業務を支える情報や有用な洞察が得られるデータを識別して保存する」というストレージ戦略に考え方がシフトされていくでしょう。単純にデータを保存するようなストレージの消費は鈍化し、企業のデータ管理戦略を支えるスマートでコスト効果の高いストレージが求められるでしょう。

  5. GDPRによって罰金を科される企業には、EU外の企業が含まれる

  6.  2018年5月25日という期限が迫っているにもかかわらず、ベリタスが調査した世界中の企業のうちGDPR(EU一般データ保護規則)を順守できていると考える企業はわずか31%でした。違反した場合の罰則は厳しく、この規則はEU市民のデータを扱うあらゆる企業に影響を及ぼします。EU外の企業へ罰金が科せられるケースもあるかもしれません。

  7. データ管理は分析技術によって大幅に高度化する

  8.  分析技術の発展により、アーカイブ、バックアップ、ストレージをめぐる議論は、従来の単純に「容量を増やす」ことをはるかに超えたレベルに進展します。人工知能(AI)により強化された新しいデータ評価手法によって、ポリシー適用の自動化と、よりインテリジェントなデータ管理方法を通じた情報ライフサイクル管理の再構築が期待されます。企業は従来型のレポジトリを活用し、幅広い業種で新しい発見、営業活動、カスタマーエクスペリエンスを強化する洞察を引き出すようになります。

  9. 情報漏えい問題の深刻化

  10.  米国のある機関の調査では、2016年の情報漏えいは2015年から40%増加しており、2017年は、7月の段階でほぼ前年の件数を超える勢いとのことでした。攻撃の対象も、構造化データから非構造化データへとシフトされており、企業においても、クラウドやオンプレミスを含む複合的で複雑な環境に広がるさまざまなワークロードの保護から、さらにはインフラ全体の保護を簡単に実施する方法が求められるようになっています。特に、ランサムウェアは、新旧のワークロードを狙って高度化しており、攻撃対象が広がってきていることから、以前よりも俊敏、スマートで、拡張性の高い方法が求められます。

 ベリタスは、オンプレミスの物理・仮想環境からマルチクラウドに至るまで、あらゆる場所に広がる顧客のデータについて、保護や可用性の確保に加え、新たな要件である移行性、レジリエンシー、可視性、さらにコンプライアス対応も実現するべく、引き続き「360度データ管理」のアプローチによる製品群を進化させてまいります。

 さらに、より「インテリジェントなデータ管理」を目指し、2018年もさらなる新製品の提供と、クラウドベンダーなどとパートナーとの連携を進め、予想されるあらゆる問題に対処します。

 私は着任して5カ月になりますが、2018年は顧客のもとに積極的に足を運び、情報管理の課題をヒアリングすることで、日本にふさわしい形でのソリューション提供を進め、顧客が情報に新たな価値を見出すことができるよう貢献してまいります。

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