またOracleのクラウド事業もある程度の規模に達した。同社は自動化と「Data-as-a-Service」事業を差別化要因にしようとしている。
注目すべきクラウド事業者を挙げるとすれば、多くの意味で中国版AWSとでも言うべきAlibabaだろう。Alibabaは恐ろしい勢いで機能を増やしている上、人工知能(AI)に力を入れており、大規模なeコマース事業も運営している。どこかの会社と似ていると感じる読者も多いはずだ。
企業への導入状況
大手パブリッククラウド事業者を比較すれば、AWSとMicrosoft Azureが圧倒的であることは明らかだ。RightScaleが実施した、さまざまな業界や企業規模の997社を対象とした調査の結果を見れば、その状況がよく分かる。


ただし、このMicrosoft対AWSの構図には、両社の市場が必ずしもかみ合っていないという問題がある。Microsoftの商用クラウドの売上高には、大きな売り上げを誇る「Office 365」が含まれている。
同社の商用クラウドの主要なサービスはAzure、Office 365の企業向けサービス(「Exchange Online」「SharePoint Online」「Skype for Business Online」「Microsoft Teams」)、「Dynamics 365」「Enterprise Mobility + Security Suite」(EMS)などから構成されている。
つまり、Microsoftの商用クラウド事業は、AWSよりもGoogle Cloud PlatformやG Suiteに近い。
RightScaleの調査で明らかなのは、パブリッククラウド市場が、何かしらのスタックを提供するあらゆる大手事業者が成長できるだけの勢いで大きくなっているということだ。
ここで重要なのは、これらの主要なクラウドプロバイダーは、エンタープライズ顧客を共有することになる可能性が高いことだろう。大企業は今後費用の最適化を目指すと考えられ、ベンダー同士を競合させようとすることも増えるはずだ。