GoogleとCiscoは2017年10月に、CiscoのインフラとGoogleのサービスを連携させる パートナーシップについて発表した。「Kubernetes」「Istio」「Apigee」が、この関係を結びつける「のり」の役割を果たしている。
GoogleとCiscoのパートナーシップは、多くがコンテナを中心に据えていることもあり、無視できない存在だ。RightScaleの調査でもコンテナの導入(特にKubernetesとDocker)は急激に増えており、今後のアーキテクチャ戦略に深く関わるようになると見られる。
クラウドシステムとプライベートクラウドの側面では、MicrosoftとOracleがハードウェアとサービスシステムを統合しており、CiscoとIBMも同様の取り組みを行っている。
AIと機械学習の位置づけ
ほぼすべてのクラウド事業者が、業績発表カンファレンスコールで差別化要因として機械学習と人工知能(AI)を取り上げている。
AWSはAIや機械学習のサービスを複数持っており、同社の「Alexa」はデジタルアシスタントとして有名だ。
Google Cloud Platformも、機械学習に今後の成長を賭けている。
Pichai氏は次のように述べている。
わが社は誰もがニーズに合わせて機械学習を利用できるようにしたいと考えている。最近では、Google Cloudの顧客に複雑な学習を従来よりも簡単に行うことができる「AutoML」にアクセスできるようにした。このサービスは数週間前に発表されたばかりだが、すでに1万社以上の顧客が試用のために登録している。
実際、Auto MLはGoogle Cloud Platformのより大きな戦略の一部を構成している。その戦略とは、機械学習と人工知能をエンタープライズ市場の足がかりとして使い、そこから拡大し行くというものだ。
AWSは、AIと機械学習に別の形でアプローチしている。AWSはすでにコンピューティングやクラウドストレージのシェアを獲得しているおり、AIサービスはどちらかといえば組み合わせ販売や顧客内シェアの拡大のためのものと位置づけられているためだ。
MicrosoftはAIと機械学習をAzureのIoT関連のサービスと組み合わせて利用している。
一方、IBMの「Watson」プラットフォームは、クラウドベースのデータOSのようになることを目指している。
またOracleは、機械学習を自社のクラウドサービスのさらなる自動化と自己回復機能のために利用しようとしている。
つまり、企業にとっては判断に迷うほどの選択肢があるということだ。しかし、各プロバイダーのAI競争についてあまり悩む必要はない。なぜなら、いずれにせよ将来的には複数の機械学習やAIを提供する複数のプロバイダーを利用することになる可能性が強いからだ。最終的には、その中から自社に合ったクラウドや機械学習モデルを選ぶという、ポートフォリオアプローチを取ればいいだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。