松岡功の一言もの申す

アドビ、マイクロソフト、SAPがデータ分析で提携した理由

松岡功

2018-09-26 10:29

 Adobe Systems、Microsoft、SAPの3社が、企業のデータ活用を支援する「Open Data Initiative」を発表した。果たして、狙いはどこにあるのか。

3社共同で「Open Data Initiative」を発表

 さまざまな角度から考察してみたくなる提携話が発表された。Adobe Systems、Microsoft、SAPが共同で発表したOpen Data Initiativeは、3社共通の顧客企業がデータを適切に結び付け、インテリジェンスを活用して顧客サービス向上のためにデータからリアルタイムで価値を得ることを目的としている。

 これを実現するため、3社は共通のデータモデルを通じて、Adobeのマーケティング支援サービスである「Adobe Experience Cloud」と「Adobe Experience Platform」、MicrosoftのERP/CRMサービスである「Microsoft Dynamics 365」、SAPのERP「SAP S/4HANA」とCRM「SAP C/4HANA」を対象として、それぞれの相互運用性とデータ交換機能を強化していく構えだ。

 また、このデータモデルにより、Microsoftのクラウド基盤サービス「Microsoft Azure」上のデータ分析サービスを活用できるようにするという。

 この発表は米国時間9月24日、米国フロリダ州オーランドで開催されたMicrosoftのプライベートイベントで、同社のSatya Nadella 最高経営責任者(CEO)とともに、AdobeのShantanu Narayen CEO、SAPのBill Mcdemott CEOが顔をそろえて行われた。以下に、各氏のメッセージを紹介しておこう。

 「3社は、企業のお客さまが大量の顧客データを活用し、パーソナライズされたリアルタイムのカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験)を大規模に提供できるよう支援するために協力していく」(AdobeのNarayen氏)

 「あらゆる組織に、予測能力やワークフローの自動化によってビジネス価値をもたらす人工知能(AI)によるデジタルフィードバックを実現する上での膨大な機会が生まれた」(MicrosoftのNadella氏)

 「企業のCEOは現状の縦割り状態を解消し、社内の全ての人々が社外の人々へのサービス提供にフォーカスできるようにしようとしている。今回の取り組みにより、企業が真の意味での顧客の単一視点を実現できるように支援していく」(SAPのMcdemott氏)

左から、Adobe SystemsのShantanu Narayen CEO、MicrosoftのSatya Nadella CEO、SAPのBill Mcdemott CEO(出典:日本マイクロソフトの資料)
左から、Adobe SystemsのShantanu Narayen CEO、MicrosoftのSatya Nadella CEO、SAPのBill Mcdemott CEO(出典:日本マイクロソフトの資料)

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