SAPは、米ラスベガスで米国時間10月2日から開催されている同社主催のカンファレンス「TechEd」で、「SAP Data Hub」バージョン2.3のリリースを発表した。今回のリリースで注目すべきは、Data Hubにコンテナ化の波が到来したことだろう。
SAP Data Hubは約1年前にリリースされた製品で、GUIで操作できるデータパイプラインによって、SAPのデータプラットフォームやSAP以外のプラットフォームのデータを統合的に扱うことができる。Data Hubの特徴は、異なるデータソースのデータを移動せずに統合的に扱うことができ、要約されたデータを簡単にSAP HANAにストアできることだ。
Data Hubは最近リリースされた「SAP HANA Data Management Suite」の一部を構成しており、「Apach Spark」ベースのクエリエンジン「SAP Vora」を利用し、データパイプラインなどによってデータカタログを構築する。
Data Hubの用途の広さと、さまざまなデータをつなぐ役割を考えれば、顧客がどのような場所にあるデータに対しても柔軟に顧客がData Hubを利用したいと考えるのは自然なことだ。今日のIT環境においては、これはオンプレミスとパブリッククラウドで横断的に利用できることを意味する。SAPとCiscoは、まさにそれを可能にするコンテナベースのData Hubのソリューションを開発したようだ。
このソリューション「Cisco Container Platform for SAP Data Hub」を利用すれば、DockerのコンテナとKubernetesによって、オンプレミスのインフラにも、「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」、「Google Cloud Platform」などの主要なパブリッククラウドにも、コンテナ化されたData Hubを展開できる。統合したいデータがさまざまな環境にまたがって存在していることを考えれば、SAPがData Hubをそれらの環境すべてに展開したいと考えるのも当然のことだろう。
SAPは同時に、Data Hubを利用して、人事管理ソフトウェア「SAP SuccessFactors」とクラウドベースの人財シェアリングプラットフォーム「SAP Fieldglass」からの集約、匿名化された人財データを組み合わせて活用する製品「SAP Data Network, Live Insights for Workforce」も発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。