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内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

“二刀流”のIT部門をどう作るのか

内山悟志 (ITRエグゼクティブ・アナリスト)

2018-12-12 07:00

 「守りのIT」と「攻めのIT」、「モード1」と「モード2」など表現はいろいろですが、従来型のIT機能に加えてデジタルビジネスの推進など、IT部門に新たなIT機能を追加しなればならないという論議が高まっています。IT部門がこれらの両方に対応できる“二刀流”の使い手になるにはどうすればよいのでしょうか。

両刀使いの個人か、チームで役割分担か

 昨今のIT部門の組織ミッションに関わる議論では、主に社内システムの企画・開発・運用、セキュリティ、ガバナンスといった従来型のIT機能と、業務改革、事業改革、新規サービス創出、デジタルビジネスの推進といった新たなIT機能の2つをどのように両立させていくかという点が話題になります。

 本連載でも何度か取り上げてきましたが、新しい組織ミッションを担うためには、これまでと異なるスキルを持った人材が必要となります。また、チーム編成、職務権限、人材の評価など組織の運営方法にも違った考え方が求められます。

 従来型のIT機能の遂行には、安全確実、費用対効果重視、PDCAをしっかりと回すという特性が必要であるのに対して、新しいIT機能では、リスクを取って未知に挑戦する、失敗してもすぐにやり直すといった特性が求められます。

 このように異なる特性を持った2つの機能をIT部門に内包させ、どのようにして二刀流の組織とするのかが悩みどころです。全てのIT部門スタッフが、両方の能力と姿勢を併せ持っていれば何も心配することはありませんが、現実にはそのようなスーパーマンは滅多にいません。また、一つの組織で両方に対応しようとすると、組織目標を立てたり人材を評価したりする際にも、どちらに主眼を置くべきかが不明確となり、二兎を追う者は一兎をも得ずということになりかねません。従って、2つのチームを分けて運営する方が合理的と考えられます。

どのようにチームを分けるのか

 それでは、どのようにチームを分ければよいのでしょうか。最初に考えられるのが、既存のIT部門スタッフの中から、人工知能(AI)などの新規技術やアジャイル開発などの新規手法に詳しかったり、柔軟な思考で新しいことにチャレンジする姿勢を持っていたりするような人材を選別して新組織を結成することです(図1左)。いわば、IT組織を縦に分けるイメージです。

 一方、先日ある大手企業のIT部門長とこの議論をしているとき、思い付きで「思い切って年齢で分けてしまってはどうでしょうか」と提案してみました。図1右のように、35歳以上は従来型IT機能、35歳未満は新しいIT機能といった具合に横に分けるのです。

図1.縦割りから横割りへの発想の転換(出典:ITR)
図1.縦割りから横割りへの発想の転換(出典:ITR)

 その場は、笑い話で終わりましたが、その部門長はアイデアの一つとして面白いかもしれないと述べていました。もちろん、年齢によってスキルや姿勢が分けられるわけではありませんので、乱暴なアイデアだということは百も承知しています。しかし、それぐらいの大胆な発想をしないと、組織内の役割分担、パワーバランス、羨望、モチベーションなど、考慮しなければならないことが多すぎて、なかなか過去を捨て去ることができないのではないでしょうか。

 ベテランのITスタッフたちが「従来業務は俺たちに任せて、若手は自由にやっていいよ」というぐらいの気概を持つIT部門の方が魅力的なような気がしますが、いかがでしょうか?

内山 悟志
アイ・ティ・アール 代表取締役/プリンシパル・アナリスト
大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストとして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は、大手ユーザー企業のIT戦略立案のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。最近の分析レポートに「2015年に注目すべき10のIT戦略テーマ― テクノロジの大転換の先を見据えて」「会議改革はなぜ進まないのか― 効率化の追求を超えて会議そのもの意義を再考する」などがある。

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