米ZDNet編集長Larryの独り言

新たな働き方実現へ、ホームオフィスのテクノロジーも進化が必要に--デルCTOに聞く

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-05-28 06:30

 ニューノーマルな世界では、リモートワークが増えるとともに、ホームオフィスにイノベーションの波が押し寄せ、エッジコンピューティングが主流となり、自動化の気運と、没入的なエクスペリエンス、ロボティクスへの要求がさらに高まっていく。

 これらはDell Technologiesの最高技術責任者(CTO)John Roese氏とのインタビューで出てきたポイントのいくつかだ。このインタビューは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延によってもたらされた壮大な在宅勤務の実験でこれまでに得られた教訓と、次の段階としてどこに向かうのかについてのものとなっている。

 以下はそのなかから重要なポイントをまとめたものであり、動画ではそれ以外の話題にも触れている。

 文化と自宅の環境が重要となる。驚くほどの話ではないが、Dellは自社の10万人を超える従業員を在宅勤務に切り換える上で、さほど苦労することはなかった。なにしろ同社は「Wyse」シンクライアントや、ノートPC、仮想デスクトッププラットフォームを販売しているのだ。Roese氏は次のように述べた。

 全員の勤務形態を移行する際には、思ってもみなかったことが明らかになってくる。われわれは、従業員が在宅勤務に踏み切るだろうという点を明確に理解していた。このため、適切な設備と適切なVPNアクセス、適切なネットワーク帯域幅、仮想デスクトップインフラ(VDI)といったありとあらゆるものを用意した。しかしわれわれは、従業員の自宅の環境が適切でないかもしれないと考えるようになった。また、われわれがZoom疲れと呼ぶ、従業員の疲弊が引き起こされる状況や、ニューノーマルでの他のシナリオといった意味合いでの正しい文化を想定できていなかったかもしれない。

 現実の作業空間と仮想の作業空間が交わる場所での進化が必要となる。同氏は次のように述べた。

 一部の作業場所が仮想空間で、残りの作業場所が現実空間になるという考え方では、2つの作業空間が交錯するという特に重要な点がある。お互いの空間を混じり合わせる場所が必要となるわけだ。われわれのクライアント事業でもそのことを経験した。われわれは材料工学の専門家とともに、機械工学のエンジニアも抱えている。つまり、研究所内で物理デバイスに関する作業をしなければならない技術者がおり、彼らは自宅だけでは作業できない。われわれはこの問題を解決するために、研究所内を消毒し、作業空間の使用スケジュールを決めるプログラムを用意した。しかし、これを突き詰めていくと、ロボティクスによって自動化を推し進めることで、人間はどこか他の場所から機械的な作業を実施できるようになる、あるいはよりありそうなのは、おそらく1人の人間が研究所で作業し、残りの人々は優れた可視性、すなわちより優れた没入テクノロジーによってそのエクスペリエンスを自らも手にできるようになるはずだ。

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