企業情報サービス業大手のダンアンドブラッドストリートTSR(D&BTSR)が統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「Oracle E-Business Suite(EBS)R12」を活用して基幹業務システムを刷新した。日本オラクルが2月1日に発表した。
刷新された基幹業務システムは、オラクルの運用管理サービス「Oracle On Demand」を採用し、米オースティンにあるOracleのデータセンターで管理されている。システムの導入では、短期導入テンプレート「Oracle Business Accelerators」を活用し、作業開始から6カ月で稼働している。
D&BTSRは、米の企業情報サービス業Dun & Bradstreet(D&B)と東京商工リサーチの合弁会社。従来のD&BTSRは、人事や経理、受発注、購買など個別業務に対応したシステムが4台稼働していた。分散システムを原因とする業務の非効率性、売上明細データの自動処理や内部統制の強化といった課題を抱えていた。
そこに米D&Bがグローバルでのシステム統合プロジェクトを始めるのを契機に、世界各拠点で共通化された業務プロセスと、統合管理された業務システムを活用する「グローバル・シェアードサービス」型での基幹業務システムの導入を決定している。今回のシステム刷新では、日本を皮切りにD&Bのグローバル各拠点に順次展開されていく予定だ。新システムは、販売、売掛金の管理、会計、購買などの業務を中心としており、日本の経理部門の担当者14人が活用している。
グローバルで統一されたシステムを導入することで、運用管理コスト削減に加えて、本社への財務報告書作成の効率化、本社が各拠点の情報を即座に把握できるようになっている。国際会計基準(IFRS)で求められる連結会計への対応と、グローバルに統一した業務プロセスとシステムの活用で内部統制の強化を実現できるとしている。