「データ分析」を超える:“再離陸”するビジネスインテリジェンス(1)

田中好伸(編集部) 2006年02月28日 06時09分

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 ユーザー企業が現在注目するアプリケーションのひとつにビジネスインテリジェンス(BI)がある。2月21日、22日に開催されたイベント「ガートナー ビジネス インテリジェンス サミット 2006」で展開された議論をもとに、“BIの現在”を見てみよう。

 まずは、BIがどういったものであるかをおさらいしておこう。BIは1989年に提唱された造語だが、ガートナー ジャパンでBIを担当する主席アナリストの堀内秀明氏によれば、BIとは「エンドユーザーによる自由なデータ分析を実現するためのインフラストラクチャとアプリケーションの総称」になる。その目的は、定量的な情報ソースを分析、活用することで企業戦略に基づいたリソースとプロセスを最適配置できるようにすることだ。

 現在、市場に投入されている一般的なBI製品の機能としては、非定型のデータベース検索(アドホッククエリ)やレポーティング、多次元データ分析処理(OLAP)、スプレッドシートとの連携などが挙げられる。これらの機能は、“過去に何が起きたのか”、“なぜその現象が起きたのか”を定期的な報告書という形で、あるいはシステムとの対話形式で入手するということに主眼が置かれているのである。

 ここまで「BI製品」と一言でまとめているが、かつてBI製品というと、大きく「エンタープライズBIスイート(EBIS)」と「BIプラットフォーム」という2つの製品カテゴリに分けられることが多かった。EBISは、先に挙げた一般的なBI機能をセットで提供するものであり、BIプラットフォームは、企業が自らBIアプリケーションを開発するためのプラットフォームである。

 しかし現在では、EBISとBIプラットフォームを明確に分けることが困難になっているという。EBISでは多くのベンダーがWebサービスによるプログラミングインターフェースを追加することで、さまざまな分析手法とチャート作成機能を拡張するようになり、BIプラットフォームでは、レポーティング機能などにまで拡張するようになっているからだ。

主要プレーヤーは3タイプに

 そのBIソフトウェア市場だが、ガートナー データクエストの調査によれば、日本国内の市場規模は2004年時点で、データウェアハウス関連ソフトとあわせて、前年比7.0%増の約173億円になるという。ガートナーでは、今後も利用ユーザー層や適用される領域の広がりによって成長すると見ており、2009年までの年平均成長率は4.5%と予測している。

 では、現在のBI市場の主要プレーヤーがどういったベンダーになるのかというと、「大きく3タイプに分けることができる」(堀内氏)。つまり、(1)BIツールベンダー、(2)データベースベンダー、(3)ビジネスアプリケーションベンダー--の3タイプである。

 (1)のBIツールベンダーとは、BusinessObjectsやCognos、SAS Institute、Hyperion Solutions、MicroStrategyなどが挙げられる。これらのベンダーは、もともとBIに関連したツールを提供してきたところである。その一方で、ほかの市場からBIに参入してきたのが、(2)に挙げたデータベース(DB)ベンダーであり、(3)のビジネスアプリケーションベンダーになる。

 DBベンダーとは改めて言うまでもなくOracleであり、SQL Serverを抱えるMicrosoftである。Microsoftは、SQL Server 2000にレポーティング機能を標準で搭載し、最近登場したSQL Server 2005でもBI関連の機能を強化したことを強調している。DBベンダーの場合、DB製品の差別化要素として、BI機能を無償あるいは安価に提供していることが特徴だ。

 DBベンダーと前後する形でBI市場に参入してきたのが、ビジネスアプリケーションベンダーである。ここで言うビジネスアプリケーションとはERPパッケージ(統合業務パッケージ)やCRM(顧客関係管理)、SCM(サプライチェーン管理)などであり、ベンダーとしてはSAP、Siebel Systems(現在はOracleの傘下)が挙げられる。ビジネスアプリケーションベンダーがBI市場に参入してきたのは、ERPやCRMなどのビジネスアプリケーションの普及が一巡し、次の戦略の一手としてビジネスアプリケーションを通じたBIを提案しているからだ。

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