サイベースは10月1日、金融市場向けリアルタイムデータ分析アプリケーション「Sybase CEP (サイベース・シーイーピー)」を発表した。2009年12月初旬より販売が開始される。
CEPは「Complex Event Processing(複合イベント処理)」の頭文字で、大量に流れ込むストリーミングデータを、データベースに登録することなく、リアルタイムに分析する技術。「Sybase RAP-The Trading Edition」(以下、Sybase RAP)と「Sybase CEP」を組み合わせて利用することにより、証券トレーダー、金融アナリスト、リスクマネージャなどの金融サービス提供者は、1/1000秒単位でのリアルタイムデータから過去数年分の取引データまで、さまざまな時間単位での分析を要件に応じて迅速に行えるとする。
Sybase CEPは、コアとなる「CEPエンジン」、周辺技術との統合を行うアダプタ、独自アダプタ開発のためのSDK、およびCEPアプリケーション用の開発環境である「CEPスタジオ」から構成される。データ処理の遅延を最小化し、スループットを最大化するための設計がされており、企業はビジネス要件や競合他社の戦略の変化に迅速に対応することが可能という。また意思決定者向けのリアルタイム調整機能により、重要な意思決定に必要なデータだけを容易に検索、閲覧することができるとしている。
Sybase CEPでは、最新のハードウェアやOSの持つ、マルチコア、マルチスレッド、ハイパースレッド、64ビット処理といった技術に対応し、スケーラブルなストリーム処理のためのクラスタシステムを構築できる。また、イベント処理言語には、SQLに類似したCCL(Continuous Computation Language)を採用することで、SQLを使い慣れた開発者であれば、実装期間の短縮とアプリケーション保守コストの低減を実現できるとしている。
Sybase CEPの価格は、1CPUコアあたり546万円(税別)より。