モバイルとクラウドだからこそ実現できる
小売り向けのソリューション「SAP Precision Retailing」は、顧客情報管理システム(CRM)や統合基幹業務システム(ERP)、販売時点情報管理システム(POS)などの各システムとリアルタイムでアクセスするエンジンを持ち、消費者の動向を観察し、リアルタイムで1対1の的を絞ったオファーを顧客に送る。
フランスの小売業Casino Groupに実施したコイノベーションプログラムは、顧客にあわせて在庫とプロモーション、CRMのプロファイル、消費者の選考結果といったデータをリアルタイムで利用していく。
大規模流通業だけでなく、小規模店舗に向けたソリューションも開発されている。「GaRO」と呼ばれるプロジェクトは、モバイル端末だけで卸業者、金融事業者などとも連動する。例えばアフリカの商店のように、モバイルのみがネットワークインフラとして提供されている地域でも活用できるという。
「これは未来に提供するプロジェクトではなく、すでに実現可能なもの。すぐにでも導入することが可能な段階となっているものであることをよく認識してほしい」
モバイルで完結しているといっても、万が一端末が破損、盗難などにあった場合でも、新しい端末を用意すれば、そのソリューションをすぐに再開できる、モバイルとクラウドだからこそ実現するものとなっている。
Przewloka氏は、「今日ご紹介したプロジェクトはいずれも商品化に近い段階にあるものばかり。思い切って踏み出せば、新しい世界を実現することができる。常識を越えて、新しいビジネスに踏み出してほしい」と話し、特別講演を締めくくった。
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