Intelの第4世代プロセッサ「Haswell」について知っておくべきことを、さまざまな面から解説する。
--Haswellって何なの?
Haswellは、PC市場やサーバ市場をターゲットにしたIntelの新しいプロセッサファミリに付けられた開発コード名だ。Intelは、厚さが25mm以下の超薄型ノートPCや、ノートPCとタブレットのハイブリッド、純粋なタブレット、オールインワン型のPCといった新たなフォームファクタのデバイスに適したプロセッサとしてHaswellを設計したんだ。
そしてIntelは特に、「ウルトラブック」市場をターゲットにして、この第4世代プロセッサを売り込もうとしているようだね。同社はウルトラブックというカテゴリのPCを、タッチスクリーンと音声制御を標準搭載した厚さ25mm未満のモバイルコンピュータで、製品によってはタブレットやノートPCとしても使えるものと定義しているんだ。
--Haswellの売りって何なの?
Haswellの搭載によってバッテリの持続時間が飛躍的に長くなるんだ。Intelの従来のプロセッサがベースにしている「Sandy Bridge」や「Ivy Bridge」というマイクロアーキテクチャに比べると、Haswellでは電力消費が低く抑えられているんだ。
Intelによると、ウルトラブック向けに設計されているHaswellのUシリーズプロセッサ「Intel Core i7-4650U」では、HD動画の再生で9.1時間、スタンバイ状態で7日以上も動作するらしいよ。これは「Intel Core i7-3667U」という以前の世代のプロセッサに同じ容量のバッテリを接続した場合と比べると動画再生で3時間、またはスタンバイ状態で1.5日以上長く動作できることになるんだ。
最も電力消費の低いHaswellのYシリーズの場合、Intelの試算では一般的なアプリケーション、つまりメディアプレーヤーやウェブブラウザ、オフィス向けアプリケーションを実行した際は6ワット程度に収まるんだって。
薄型のノートPCやタブレットに搭載するプロセッサの場合、消費電力の低さが特に重要となるんだ。というのも、電力消費を抑えるということはプロセッサの温度を下げると同時に、タブレットをファンなしで動作できるようにしたり、ヒートシンクやファンのサイズを小さくできるようになるという意味があるんだ。
--IntelはHaswell搭載ウルトラブックで他にどんなことが可能になるって言っているの?
Haswellをベースにしたウルトラブックやタブレットは、3秒以内にスリープ状態から「目覚める」ことができる。ちなみに前世代のIntelプロセッサを搭載したデバイスの復帰時間は7秒だ。これはS0ixステートと呼ばれている「超低消費電力」ステートのおかげなんだ。
また、Haswellプロセッサを搭載したデバイス上で実行されるアプリは、この低消費電力状態でもデータを受け取れるため、スリープ中でも電子メールクライアントは受信トレイを最新状態に更新し続けられるんだ。