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モノのインターネットの衝撃

新ビジネスの可能性秘める「モノのインターネット」の未来 - (page 2)

田中好伸 (編集部)

2014-01-04 09:30

 IoTの世界では保険商品の在り方も変わり得る。

 生命保険でいえば、個人が普段何を食べているのか、つまり毎日のカロリー摂取量に加えて、普段どれくらい運動しているかなどの情報が蓄積され、そのデータが分析されることで、健康な人ほど生命保険を割引で購入できるという時代がやって来るかもしれない。すでにNikeの「FuelBand」があるように、今後、食生活も含めた個人の健康データが小型の端末からクラウドに送信されて分析されることも絵空事とは言えないはずだ。

 現時点でも自動車保険は、普段どのように乗用車を活用しているかで、価格は大きく変わってくる。何年乗っているのか、毎日の通勤で使っているのか、休日だけ買い物の足として使っているのかなどの状況で変わってくる。

 IoTの世界だと、乗用車に搭載された端末からデータが送信され、蓄積される。蓄積されたデータがあれば、確かに休日に使うだけだが、休日の夜に高速道路をかなりのスピードで飛ばしているといったことも判明する。


 IoTの世界ではまた、社会インフラがどれだけ利用されているか、市民が納める税金が効率的に使われているかを理解することも可能だという。例えば、公共の図書館や病院が、どういう人にどんな時間に、どんな風に利用されているのかなどを把握できるようになる。

 現時点でも公共施設はウェブから予約できるが、IoTを活用すれば、リアルタイムで把握することも不可能ではなくなる。蓄積されたデータを分析すれば、将来どのようにメンテナンスしていけばいいのかということも理解しやすくなる。

新ビジネスの可能性が潜むIoT

 ここまで、IoTが社会や生活をどのように変えるのかを見てきた。池田氏の説明を聞いているうちに、筆者は妄想してみた。筆者の自宅には小型の冷蔵庫があるが、毎晩帰宅する度に、冷蔵庫に缶ビールが何本入っているのか思いだせず、何本買っていけばいいのか分からなくなる。

 例えば、メーカーが缶ビールにRFIDを貼り付けて、冷蔵庫がそのRFIDを認識できる仕組みがあったらどうだろう。冷蔵庫にある缶ビールの本数をスマートフォンから知ることができれば、毎晩缶ビールが不足することも買いすぎることもなくなる――。これもIoTの世界に含まれるのではないだろうか?

 「単につながっているだけでは、あまり意味がない。IoTでは、さまざまな情報を組み合わせることが重要になってくる。例えば、専業主婦であれば、冷蔵庫にどんな食品が入っているかはおおよそ知っている。手元にある食品でどんな料理を作れるかは、ウェブのレシピサイトを見れば分かる」

 つまり、筆者が妄想する、中に何が入っているのかスマートフォンから見られるという単純な“インターネット冷蔵庫”では、それほどの価値はもたらすことはないと言える。

 IoTの世界では、さまざまなものを組み合わせることが重要になってくる。インターネット冷蔵庫の仕組みをさらに広げて、冷蔵庫の中味を小売店が把握することで、例えば冷蔵庫にある食品にあわせた食品を買うと2割引にする、といったことも可能になる。可能性の話として池田氏はこう話す。

 「冷蔵庫は今、家電量販店が販売している。だが、冷蔵庫は食品の流通の窓口の役割を果たしている。つまり、冷蔵庫は小売りの窓口にもなり得る」

 あくまでも可能性としてだが、冷蔵庫を製造するのは家電メーカーだが、スーパーマーケットなどの小売店が個人客に冷蔵庫を無料でレンタル、その個人客は小売店に冷蔵庫の中味をネットワーク越しに教えて、足りなくなった食品を通常よりも低額で自動で購入するといったことも仕組みとしてはあり得る(具体的な食品のデータは小売店の人間は知ることができないという仕組みが必要になるだろう)。

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