CentOS
RHELを軽量化したCentOSが人気を博している。CentOSはまた、Red Hatのサービスを利用するのではなく、自社でLinux管理者を用意できるという点で、企業から注目を集めているという主張もある。Whitehurst氏によると、その考え方は誤っているという。「CentOSは、サポートは不要だが安定したリリースを使いたいという人々に適した、RHELから派生したOSだ」と同氏は述べたうえで、「われわれのモデルに価値を見出せない人々には、少なくともRHELによく似た何かを使ってもらいたいと考えている」と述べた。
また、Red HatがCentOSプロジェクトへの貢献著しい人物を雇用しているという点にも言及しておくべきだろう。Whitehurst氏は「われわれはCentOSを競合だと見なしていない。これは補完する存在と言ってもよい」と述べるとともに、CentOSを採用する企業はいずれにせよRed Hatの顧客にはならないはずだと付け加えた。
ではRed Hatにとっての価値はどこにあるのだろうか?Whitehurst氏によると、CentOSによって開発者らは革新的な新しいものごとを、安定性を重視するRHELよりも速いペースでできるようになるという。同氏は「Red Hatは生産に向いているが、世の中にはOpenStackを用いた新たなイノベーションも数多くある」と述べるとともに「Red Hatファミリにはそういったものをサポートするものがなかった。CentOSの動きは迅速であり、われわれが提供しているポートフォリオとの隙間を埋めるOSなのだ」と述べた。
言い換えれば、CentOSは開発者コミュニティーに模索の道を与えており、これによってRed Hatは貢献と、より早いペースでの学習が可能になっているのだ。