デジタルバリューシフト

デジタルテクノロジによる企業価値変革--チームラボのワークスタイル - (page 3)

林大介

2015-02-16 07:00

デジタルとは何か

--ずばり伺いますが、チームラボにとって「デジタル」とは何でしょうか。

 それは「チームラボ自身」と言えるかもしれませんね。デジタルテクノロジがなければチームラボという会社はおそらく存在していません。デジタルの魅力は、例えば普段われわれが手に入れる情報も、デジタルの時代を迎えて大きく様変わりしました。極端な話、新聞が唯一の情報メディアだった時代に比べると、現代はまずネットが最速で、誰かがそれをまとめて…。

--それがマスコミなど旧来のメディアに取り上げられると。

 その通りです。要するに、デジタルテクノロジは情報の伝達コストを思いっきり下げてしまった。海外の素人が撮ったホームビデオの映像をPCで見るなんて、つい10年前くらいには存在しない娯楽だったんです。全てがアナログだった時代に比べて、デジタルは結果的に破壊的な存在になりました。

--デジタルネイティブなんていう言葉もあります。

 そういう意味では、われわれの世代(筆者註:30代中盤です)が第1期デジタルネイティブなのかもしれません。アナログなものからデジタルなものへの変遷を見ながら育ってきましたから。

--企業が改めて評価すべきデジタルの価値は何だと思いますか。

 やはり事業のスピードとクオリティの両立のためにはデジタルテクノロジは必須ですね。デジタルの良いところは「劣化しないこと」「重さがないこと」、それから「圧倒的にスケール(拡張)すること」です。

--「重さがない」というのは先ほどの伝達コストが下がった件に関することですかね。確かに身の回りでは新聞紙やらCDやらがなくなってきていますよね。圧倒的にスケールするというのは具体的にどういうことですか。

 チームラボの作品でいうと「滝」のプログラミングです。

 色んなものに水をぶっかけさせて頂いておりますが(笑)、本物の水をかけられない物体でも滝を作ることが出来ますし、小さい滝から大きい滝まで自在です。まさにデジタルが持つスケーラビリティ(拡張性)がないと実現できないことなんです。

--企業のシステムの中にはデジタルなのに拡張性に乏しいものもあるようです。

 それはスケールするってことを分からずに作ってしまったのでしょうね…。

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