米ZDNet編集長Larryの独り言

クラウドの事業規模はいかに?--大手各社の売上高を比較

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-04-30 06:00

 クラウド業界で自分たちこそが最大の「アズ・ア・サービス」企業だと多数の大手企業が主張するなか、AmazonがAmazon Web Services(AWS)の財務情報を開示した。これで、クラウド業界の財務情報に関して欠けていた大きなピースが埋まった。

 残念ながら、クラウド企業ごとに数字の積み上げ方が異なるので、勝者を宣言するのは困難だ。しかし、筆者は、一概に比較しがたいクラウド企業同士をあえて対決させてみたいという衝動を抑えることができないので、それを実際に試みることにした。

 今回の試みでは、最大手のハイパースケールクラウドプロバイダー4社に注目する。AmazonとGoogle、Microsoft、IBMだ。さらに、無視できない存在のSalesforceなどの並外れたクラウド企業数社とOracleを加える。Oracleも他の企業と同様、さまざまなアズ・ア・サービス型のクラウドソリューションを上手く分割して、インフラストラクチャとプラットフォームにも対応している。複雑になるのを避けるため、各社を簡単に比較する今回の試みでは、さまざまなアズ・ア・サービス型ソリューションの売上高に注目する。

 こうした変動要素を前提としたうえで、これまでに分かっていることを紹介しよう。

 Amazon Web Servicesの年間ランレートは62億6000万ドルだが、AWSが今後数四半期成長しないと仮定するのでない限り、その数字は低い。Amazonの発表によると、AWSの2015年第1四半期の売上高は15億6600万ドルで、前年同期の10億ドルから増加したという。AWSの営業利益は2億6500万ドルだった。参考までに、Amazon全体の北米における売上高は134億ドルで、営業利益は5億1700万ドルだった。潜在的利益という点で言えば、Amazonはオンライン小売業者の仮面をかぶったクラウドインフラストラクチャプロバイダーである。2014年、AWSは50億ドル規模の事業だった。

figure_1

 Microsoftによると、コマーシャルクラウド事業のランレートは63億ドルだという。その金額には、「Microsoft Dynamics CRM Online」や「Office 365」「Microsoft Azure」などが含まれる。Mary Jo Foley氏が報じているように、Microsoftの決算発表に基づいてAzureの財務状況を判断するのは、それほど簡単なことではない。Azureは最も直接的なAWSのライバルだが、インフラストラクチャの面ではAmazonのクラウド事業より小規模だと言っても問題はないはずだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]