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人工知能「AI」活用の可能性--Watsonが持つ3つの切り口 - (page 2)

田中克己

2015-06-10 06:30

Watsonには3つのソリューションがある

 日本IBMによると、Watsonの質問応答システムとしてのソリューションは3つある。1つは、文献などから質問に正しい答えを探し出すこと。コールセンターなどの用途で、IBMも製品保守のサポートセンターに活用する。金融機関が「こんな顧客には、この金融商品を推奨したい」といった資産運用にも使われている。

 2つ目は、今まで知らなかったことを発見する。この場合、質問に正しい答えがあるわけではない。犯罪の予見、新しい化合物の発見などである。商品や食材の成分データベースから患者ごとのレシピを作成する、といった用途もある。がん治療も、このソリューションという位置づけである。

 3つ目は、判断だ。例えば、事故の発生による保険金の支払いを決める。医療保険の支払い査定や、保険の審査にも使われているという。例えば、請求書と診断書の査定ルールから支払いの決済を自動化するわけだ。

 このほか市民サービスや福祉サービスなどさまざまなアプリケーションが考えられるという。そのため、IBMはWatsonのAPIを公開し、開発パートナーを募っており、その数は5月初旬に約250社になる。発想が豊かで、小回りの利くベンチャーに期待をかけているように思える。

 「製造業が品質に関するデータを蓄積し、それをベースにした検査サービスを提供する」(武田氏)といった日本のモノ作りの強みを生かしたサービスも考えられる。

 成長戦略Watson理事の元木剛氏は同社主催のセミナーで、「辞典的な知識の活用から新しい知見を発見し、価値の創造へと進化している」と、Watson活用の広がりを説明していた。テキストに加えて、イメージなどへと学習可能な情報源が増えれば、用途はさらに拡大するだろう。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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