ネットワークコンピューティングに特化したテクノロジーとビジネスの大規模展示会「Interop」が今年も開催された。これに先立ち、大手町サンケイプラザにおいて6月8日および9日に「Interop カンファレンス」が開催された。今回は、IoT時代に対応するための「新しいテクノロジ」「新しい市場」について幅広くカバーする32のセッションが行われた。
ここでは、6月8日に行われたセッション「IoT:イノベーションから展望するビジネス新潮流 ~チップ・プラットフォーム・標準化から~」をレポートする。
インテルの土岐英秋氏(左)、クアルコムジャパンの山田純氏(中央)、Mozilla Japanの赤塚大典氏(右)
IoTのポイントとなるオープンシステム
セッションは、インテルの技術本部長である土岐英秋氏から始まった。土岐氏はコンピューティングがタスクベースからライフスタイル、そしてインテグレーテッドへと進化していることを挙げ、来たるべきIoTの世界では、データをお金に換えるマネタイズの時代になるとした。2020年には、IoT機器が500億台になり、44ゼタバイトのデータがやり取りされる。
一方、IoTを実現するためのコストはここ10年で大幅に下がっている。例えばセンサの価格は1/2、ネットワークの価格は1/40、プロセッシングの価格は1/60といった具合だ。土岐氏は、今まさにビジネスにつながってり、ブレイクスルーが起きているとした。しかし現在、導入済みのシステムの85%がネットワークにつながっていない状態で、データの共有やクラウドの利用をしていないと指摘した。
また土岐氏は、IoTに向けたチャレンジとして、同社の顧客やOEMにインタビューした結果を紹介した。これによると、セキュリティ、機器の相互運用性、IT/OTの統合、先進の分析、使いやすさにおいて、現在のソリューションの機能や性能が顧客の重要性を満たしていないことが分かった。これらの項目は、同社が提供する基本理念と合致しており、IoTソリューションの基本的なビルディングブロックを業界各社と定義しているという。
インテルのIoTプラットフォーム
そして、現在の垂直モデル(独自システム)を水平モデル(オープンシステム)に転換することで、いろいろなメリットが生まれるとする。同社のIoTプラットフォームにおいても、IoT向けのリファレンスモデルを定義しており、またIoTゲートウェイは85%の機器を安全に接続するために、さまざまなソフトウェアスタックを採用している。これらのソフトウェアはIoTにおいて非常に価値のあるもので、多くのエコシステムパートナーと積極的に協力しているという。
インテルが提唱する水平モデルから垂直モデルへの転換