内閣官房の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)は6月30日、これまでの2年間と急速に進展するモノのインターネット(IoT)や人工知能などによるデジタル化への変化を踏まえ、2020年までに世界最高水準のIT活用社会の実現と、成果の国際展開を目標としたIT戦略の基本方針となる「世界最先端IT国家創造宣言」の改訂版を閣議決定した。
この記事では、「世界最先端IT国家創造宣言」の改訂版のポイントと、新規施策を中心に紹介する。
日本は65歳以上の高齢者人口が21%を超えた超高齢社会を迎え、労働人口の減少や、社会保障給付費の増大、自然災害対策、社会インフラの老朽化など、多くの社会課題に直面している。これらの山積する社会課題に対して世界でも類を見ない「課題解決型IT利活用モデル」を構築することで、国民が真の豊かさを実感できる社会の実現を目指す。
(出所:世界最先端IT国家創造宣言 改訂版 2015.6.30)
内閣官房は、政府の成長戦略である日本再興戦略に掲げる目標達成にも寄与し、標準化による汎用性や継続性の深化(横串展開)と各種領域での革新性の誘発という視点も加味し、以下のITを活用した課題解決型に向けた4項目を柱に掲げている。
- IT利活用の深化により未来に向けて成長する社会
- ITを利活用したまち・ひと・しごとの活性化による活力ある社会
- ITを利活用した安全・安心・豊かさが実感できる社会
- ITを利活用した公共サービスがワンストップで受けられる社会
それぞれ4つの項目についての取り組み概要を紹介する。