SUSEが、2016年に発表していた、HPEのテクノロジと人材の買収を完了した。HPEとSUSEの関係は複雑だ。まず、HPEは一部の非中核的なソフトウェア資産をスピンオフして、Micro Focusと統合させた。そして、Micro Focusは、Linuxプロバイダー大手のSUSEを所有している。今回、SUSEはHPEの「OpenStack」(IaaS)と「Cloud Foundry」(PaaS)関連資産の買収を完了した。
SUSEはこれらの新しい資産を利用することで、「OpenStack」プログラムを強化し、成長するCloud Foundry PaaS市場への参入を加速させたい考えだ。
HPEはこの取引について、「SUSEとの戦略的提携」と説明している。HPEは、「HPEのサポートとプロフェッショナルサービスを含む『Helion OpenStack』および『Helion Stackato』ソリューションの提供を今後も継続する予定であり、その基盤として、『SUSE OpenStack Cloud』および『SUSE Cloud Foundry』をベースとするPaaSソリューションをOEM提供する。SUSEとの提携により、HPEはクラス最高のOpenStackとCloud FoundryをベースとするPaaSソリューションを提供する。このソリューションは、顧客のマルチクラウド環境に簡単に導入することが可能だ」
つまりSUSEはHPEのプログラマーを雇用して、クラウド開発作業を行う。一方、HPEはそれらのサービスの販売、展開、およびサポートを担当する。この提携は排他的なものではなく、SUSEはほかのパートナーや顧客を自由に見つけることができる。
SUSEの最高経営責任者(CEO)を務めるNils Brauckmann氏は声明の中で、「この買収が完了したことは、SUSEの継続的な成長と拡大戦略における新たな重要な一歩である」と述べた。
SUSEは買収したOpenStack資産をSUSE OpenStack Cloudに組み込む予定だ。また、買収したCloud Foundry資産によって、SUSEは認定されたエンタープライズ向けSUSE Cloud Foundry PaaSソリューションを市場に投入できるようになる。
さらにHPEは、SUSEがLinuxとOpenStack IaaS、およびCloud Foundry PaaSに関する優先オープンソースパートナーに指名しているとあらためて述べた。両社は非独占契約も締結している。その契約の下、HPEのHelion OpenStackとHelion Stackatoのソリューション内で使用する目的で、HPEはSUSEのOpenStack IaaSおよびCloud Foundry PaaS技術をOEM提供することができるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。