海外コメンタリー

「Oracle OpenWorld 2017」を振り返る--自動化、AI、アナリティクスなど注目点

Doug Henschen (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 2017年10月23日 06時30分

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 Oracleはカリフォルニア州サンフランシスコで開催した年次カンファレンス「Oracle OpenWorld 2017」(OOW2017)で、クラウドサービス上での稼働や、スマートアプリケーションの提供、データ駆動型意思決定の推進に向けた機械学習(ML)機能や人工知能(AI)機能に焦点を当てていた。

 同社の新たなデータベースクラウドサービス「Oracle Autonomous Database Cloud」はAmazon Web Services(AWS)のサービスに比べると、より安価かつ高速であり、高度に自動化されたサイバーセキュリティシステムのおかげでよりセキュアなものとなる。これは、少なくともOracleの会長兼最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏が今回の同社カンファレンスで聴衆に記憶してもらいたいと考えていた内容だ。

 Oracleの主張が妥当であるかどうかや、他社製品との比較が正確であるかどうかについては、Autonomous Database Cloudの最初のサービスが「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」を通じて提供される12月を待たないと分からない。また、中立の立場の評論家が公正な条件で競合クラウドサービスと比較できるようになるまでには、少なくともあと数カ月は待つ必要があるだろう。

Oracle

 その頃(およそ6カ月後)には、今回発表された他の複数のデータ関連製品も利用可能になっているはずだ。OOW2017で発表された主要製品のなかには、「Oracle Big Data Cloud」や「Oracle Event Hub Cloud」「Oracle Stream Analytics」「Oracle Analytics Cloud, Data Lake Edition」などがあり、既に一般提供されているものもある。しかし、今回発表されたその他のものの多くは、次世代の「Oracle Adaptive Intelligent Apps」であるか、AIやMLのPaaS機能(「AI & ML PaaS」)であるか、「Oracle Analytics Cloud」に対する一連のアップグレードであるかにかかわらず、3~6カ月先の実際の登場を待つ必要がある。

 以下では、発表されたサービスのなかから、今後の数カ月間で注視しておくべき9つを紹介する。

Oracle Autonomous Database Cloud

 Oracleにとって、クラウド戦争に勝利することはもちろん重要だ。同社は48万以上の顧客を抱えており、そのナンバーワン製品は間違いなく「Oracle Database」だ。クラウドの世界にもドミノ理論が適用できるとすれば、クラウドデータベース製品の選択が、他のクラウド製品の選択にも波及するはずだ。このため、パフォーマンスとコストという面でより優れ、より高速で、より安価だというEllison氏の主張は、OOW2017の至るところで繰り返されていた。また同氏は聴衆に対して、データベースサービスの料金は割引を適用すれば、1カ月300ドル程度からという安さになるとも語っていた。ただ、単一CPUと1テラバイトのデータという設定は、どう考えても力不足だろう。

 最高経営責任者(CEO)Mark Hurd氏は基調講演で、本番のワークロードのうち、パブリッククラウド上で稼働しているのは約14%にすぎないと述べたが、現在の勢いを考慮した場合、2025年までに本番ワークロードの80%がクラウド上で稼働するようになるだろうと述べた。Oracleは今日のデータベース市場で最大のシェアを誇っているが故に、その賭け金も莫大なものとなっている。この点で、同社は大きなプレッシャーにさらされており、顧客が「Amazon Redshift」や「Amazon Aurora」といった代替製品を検討することさえ阻止したいと考えているはずだ。OOW2017で何度もアピールされたコストとパフォーマンスに関する(Oracleの)主張は、クラウドへの移行を検討しているオンプレミス顧客に対する、「Oracle製品を使い続けてほしい」というメッセージだったと言える。

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