「リカーリング」ビジネスが最近、注目を集めている。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は新たな中期経営計画で、このビジネスに注力することを打ち出した。いったい、どんなビジネスなのか。
CTCが注力するリカーリング型ビジネスモデル
会見に臨むCTCの菊地哲社長
「これまではサービス型と言ってきたが、これからはリカーリング型と表現する」――。CTCの菊地哲社長は、同社が先頃開いた2017年度(2018年3月期)の決算と2018〜2020年度の中期経営計画についての説明会で、こう語った。
リカーリングという言葉は中期経営計画の説明の中で出てきたので、2017年度の決算については同社の発表資料をご覧いただきたい。また、中期経営計画は「ビジネス変革」「強みの強化」「新分野の開拓」「経営基盤の強化」の4つの取り組みからなるが、ここではリカーリングが出てくる「強みの強化」のみを取り上げるので、他の内容については、こちらも同社の発表資料をご覧いただきたい。
菊地氏は、強みをさらに強くするとして、次の3つの施策を挙げた。
1つ目は「ナンバーワンのクラウドインテグレーターへの挑戦」。ハイブリッドクラウドやDevOpsを中心としたクラウドネイティブ環境など、クラウドのインテグレーション力を強化する。
2つ目は「インフラ・ネットワーク分野での圧倒的存在感の確立」。SDN/NFV(ソフトウェア定義のネットワーク/ネットワーク機能の仮想化)やAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)技術を深耕し、CTCグループの強みであるITインフラ・ネットワーク分野での収益力を強化する。
3つ目は「リカーリングビジネス拡大の加速」。クラウドサービス、基幹系システムの運用サービス、マネージドセキュリティサービス(MSS)を強化し、収益の安定化を図る。
その上で、中期経営計画の定量目標の1つとして、2017年度で486億円だったクラウド・ITアウトソーシングビジネスの売上高を、2020年度には 600億円に引き上げることを明言した。その原動力として見込んでいるのが、リカーリング型ビジネスモデルの拡大である。(図参照)
図:CTCが注力するリカーリング型ビジネスモデル(出典:CTCの資料)