シェアリングエコノミーに適用されるリカーリング
では、リカーリングビジネスとは何なのか。リカーリング(Recurring)には「繰り返される」「循環する」という意味がある。従って、リカーリングビジネスは「継続的な利益を生み出すビジネスモデル」と捉えられている。
例えば、携帯電話のようにハードウェアを安価で提供して通信やアプリなどで継続的に収益を得ていくビジネスが当てはまる。継続した収益という点では、電気、ガス、水道もリカーリングビジネスといえる。菊地氏は「月額課金で積み重なっていくリカーリングビジネスを伸ばしていきたい」という。
リカーリングと同じような意味で、サブスクリプションという言葉があるが、こちらは「定期購読」「予約金」という意味があり、「提供されるサービスの利用期間に対して対価を支払う」ことを指す。まさしくクラウドサービスで使われる言葉である。
だが、菊地氏の説明では、リカーリングがサブスクリプションも包含しているとの解釈のようだ。さらに「リカーリングビジネスは、すなわちストックビジネス」とも述べている。これでリカーリングのイメージをつかんでいただけただろうか。
このリカーリングという言葉が最近になって注目されてきた背景には、カーシェアやサイクルシェア、民泊など幅広い分野へ広がりつつあるシェアリングエコノミーによるビジネスに適用されていることがある。その意味では、本来のクラウドサービスもれっきとしたシェアリングエコノミーによるビジネスである。
そう考えると、システムインテグレーターの代表格であるCTCが新たな中期経営計画でリカーリングビジネスへの注力を打ち出したのは、SI業界の行方を物語っているのかもしれない。システムインテグレーターであれ、サービスプロバイダーであれ、これからはどんどんリカーリングビジネスを推進すべきではないか、と一言申し上げておきたい。