本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、LenovoのSumir Bhatia データセンターグループ アジア・パシフィック担当プレジデント兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長と、アビームコンサルティングの矢野智一 執行役員の発言を紹介する。
「データセンター事業でお客さまに最も信頼されるパートナーになりたい」
(Lenovo Sumir Bhatia データセンターグループ アジア・パシフィック担当プレジデント兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長)

LenovoのSumir Bhatia データセンターグループ アジア・パシフィック担当プレジデント兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが先頃、親会社であるLenovoとNetAppの協業およびそれに伴う新製品の提供開始について記者会見を開いた。Sumir Bhatia(スミア・バティア)氏の冒頭の発言はその会見の質疑応答で、Lenovoのデータセンター事業の状況について聞いた筆者の質問に答えたものである。
会見にはBhatia氏とともに、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの橘一徳 執行役員 製品・企画統括本部長、そしてNetAppの日本法人ネットアップの岩上純一 代表執行役員社長も同席した。
新製品として発表されたのは、ユニファイドストレージ「Lenovo ThinkSystem DMシリーズ」3製品と、ブロックストレージ「同DEシリーズ」3製品。いずれもLenovoのストレージ製品群のラインアップにNetAppのストレージ技術を取り入れた製品だ。
LenovoとNetAppは9月13日(米国時間)、エンタープライズストレージ事業で協業すると発表。NetAppの技術を統合したストレージをLenovoブランドで提供したり、ストレージ事業の拡大に向けた販売・マーケティング面での協業を行うことなどを明らかにした。今回の日本での新製品提供も、このグローバルでの協業を受けたものである。
その詳細な内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは会見の質疑応答で筆者が聞いたLenovoのデータセンター事業の状況をめぐるやりとりについて記しておこう。
実は、Lenovoのデータセンター事業は2018年4〜6月期の売上高で前年同期比約70%増と伸びた。米IBMから買収したサーバ事業を基に、最近では研究機関向けのスーパーコンピュータなどにも力を入れている。現状ではLenovoの売上高全体に占める比率は1割強だが、これが例えば、3割になるのはいつ頃か。それくらいLenovoはデータセンター事業に注力する意気込みなのか。こうした筆者の質問に対し、Lenovoの幹部でもあるBhatia氏は次のように答えた。
「時期的なことは言えないが、事業は成長し、Lenovoとして注力していることは間違いない。今回のNetAppとの協業でストレージ分野を強化したように、まだまだ事業拡大のポテンシャルは大いにある」
このコメントに続けて同氏が強調したのが、冒頭の言葉である。勢いづくLenovoのデータセンター事業の今後の動向に注目しておきたい。

左から、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの橘一徳 執行役員 製品・企画統括本部長、Sumir Bhatia 氏、ネットアップの岩上純一 代表執行役員社長