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社内で評価されるIT部門の作り方--CIO Comes Around - (page 4)

原田龍一(クニエ)

2009-11-20 18:57

構造改革を進めたいCIO、予算がないIT部門

 「不明瞭なサービスレベル」や「個人の対応に依存する組織体質」は、情報システム部門の構造改革につながる問題です。アウトソースベンダーはこれらの問題をおおむねクリアしていますが、社内の情報システム部門やIT子会社がどこまで対応できているかは、かなり微妙ではないでしょうか。

 ベンダーの示すサービスレベルは、ベンダーの守備範囲のみです。エンドユーザーとの間のアプリケーションの中身に踏み込んだサービスレベルは、情報システム部門やIT子会社が負わなければならないはずですが、ここを明確に定義している事例は少ないでしょう。その原因は、発生する問題の複雑さもありますが、サービスレベルを達成できなかった時のペナルティでもめるからだと思います。

 ここでも「情報システム部門はサービス部門」という意識の欠如が、その背景にあるのかもしれません。

 別の角度から考えると、情報システム部門にこの問題をクリアする(=構造改革)ための環境や予算がないことが一番大きな問題なのです。自社でできるサービスレベルを作り上げること、あるいは個人の能力に依存する組織体質も、ある程度お金と時間をかけて作らなければいけないのですが、情報システム部門の予算でそれが賄えるかというと、結構難しい状況ではないでしょうか。

 ここでのCIOの仕事はその予算を確保することです。経営陣に対して、構造改革の効果と改革しなかった時のリスクを説明する必要があります。

 「ユーザーのITリテラシー不足と対応策、向上策の不足」という問題も、リテラシーを上げる努力は広報や教育といったコミュニケーションベースの活動になるはず。そのコンテンツを考え、他部門を巻き込んだ活動を行う組織、体制を作る必要があります。

 このような一見明確に効果が表れにくい活動を必要なものだと認識し、体制を作りあげることもCIOの仕事です。

 情報システム部門が評価される施策は他にもたくさんありますが、地道な努力が必要である点だけはどれも変わりません。その積み重ねこそが信頼される情報システム部門の第一歩と信じて進みましょう。

Eric
著者紹介

原田龍一(株式会社クニエ マネージングディレクター)
大手システムインテグレータ、外資系コンサルティング会社を経て、2006年に株式会社クニエ(旧NTTデータ ビジネスコンサルティング)入社。マネージングディレクターとしてCIOサポートを中心としたコンサルティングサービスを提供するアドバンストテクノロジー領域を統括。ERP導入、企業インフラ診断、アーキテクチャー設計、IT戦略立案などのコンサルティングを中心に幅広い知識を有し、数多くのプロジェクトをリードする。

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