ユーザーの声を直接届ける
企業向けサービスの場合だと、この方法も有効です。ユーザーの声は魔法の声です。仮に同じ声を自社の従業員が発言したとしても責任者にとっては重みがまったく異なります。筆者はこれを常套手段のように活用していました。
例えば、「顧客への年始挨拶に同席してもらう」「顧客の上司があいさつを希望している」など責任者に商談に同席して頂くきっかけを作り出します。その商談の場でユーザーに、自社サービスで使い難い点や改善点の話題を持出します。ユーザーは何かしら使いにくい点や不満点を話してくれます。ユーザーが直接話した不満を放置すると、売り上げの減少を招きかねないため、「どうしたらもっと使いやすいサービスになるのか」というUXデザインを議論するきっかけが生まれます。
UXの優れたサービスに触れてもらう
世界にはUXの優れたサービスや企業はたくさんあります。iPhone、APPLE STORE、Path、Pinterest、Instagram、そのすべてが完璧ではなくとも学ぶべきことが数多くあります。アプリケーションの体験に限らず視点を広げれば、リッツカールトンホテル、ディズニーリゾート、アパレル関連EC Zappos(ザッポス)での購買体験など、多くの優れたサービスを体験する機会があります。
これらを担当者が経営者に体験するように働きかけることは難しいかも知れませんが、経営者であればUXの優れたサービスをすでに体験している可能性は高いはずです。それらの体験と自社サービスとの相違点を話し合い、体験から自社サービスに応用できることを日々の会話で議論することは可能ではないかと思います。
- 大塚雄介
- 2006年、早稲田大学大学院卒理工学修士号取得。同年、ネクスウェイに入社。ネット広告新規法人営業、新事業創出プロジェクトを経て、新規事業(クラウドサービス NEXLINK)のUI責任者に就任。専門はIA/UX/UIデザイン。2013年より、「STORYS.JP」のCMO(最高マーケティング責任者)兼任。Facebookはこちら。
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