
PDP-8--Rhode Island Computer Museum(ロードアイランド州のコンピュータ博物館)所蔵
1949年の「Popular Mechanics」誌には「未来のコンピュータの重さは1.5トン以下になるかもしれない」という予想が掲載されていた。1963年にリリースされた「Programmed Data Processor model 8」、通称「PDP-8」によってその予想は的中したうえ、コンピュータというマシンが部屋を丸ごと占有する、政府や大企業だけが入手できるようなものである必要がないことを証明した。
PDP-8は冷凍冷蔵庫くらいの大きさであり、当時は数百万ドルもしたようなメインフレームと比べるとコストを安価に抑えられるよう設計されており、約1万8000ドルで販売された。このマシンは5万台が出荷されたと見積もられており、その成功によって、手の届く場所に設置でき、訓練を受けた複数の要員によって保守管理していく必要のない低コストなコンピュータである、ミニコンピュータというジャンルの普及が促進された。
Digital Equipment Corporation(DEC)製のこのマシンの処理能力は、メインフレームの32ビットと比較すると、わずか12ビットという限られたものであった。しかし、メインフレームの処理能力を必要としない、給与計算のような簡単なタスクもたくさんあり、PDP-8の需要を機に工場やオフィス、銀行、研究所といった場所を含むさまざまな業界でミニコンピュータが導入されるようになった。
Rhode Island Computer Museumでは、「PDP-8/L」や「PDP-8/I」「PDP-9」「PDP-11/44」を含むさまざまなPDPシリーズのコンピュータを復元してきている。
提供:Rhode Island Computer Museum (RICM)