最高のITへ協力:エリソン氏と富士通、NEC、NTTデータ、CTCの社長が対談

大河原克行 2015年04月10日 14時00分

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 日本オラクルは4月9~10日、イベント「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」を開催。初日の基調講演には米本社の取締役会経営執行役会長で最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏が登壇した

 Ellison氏の基調講演に続いて行われたのが「CLOUD LEADERSHIP SUMMIT」だ。「クラウドのトレンドが世界をどう変えるか?」と題し、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)代表取締役社長の菊地哲氏、NTTデータ代表取締役社長の岩本敏男氏、NEC代表取締役執行役員社長の遠藤信博氏、富士通代表取締役社長の山本正已氏が登壇した。

 「4社合計で売上高10兆円、40万人の社員数。日本のIT市場の35%を占める日本を代表するリーディングカンパニーが集結し、クラウドのトレンドが世界に与える影響や各社のクラウドビジネス戦略を聞き、日本、そして世界に向けて何ができるのかを考えるものにしたい。今日は、オラクルを含めて、この5社を“G5(グループ5)”と呼ぶ」(日本オラクル取締役代表執行役社長兼最高経営責任者=CEOの杉原博茂氏)

めったに一堂に会さない5社がそろったと言える
めったに一堂に会さない5社がそろったと言える

人口問題にはITで生産性向上

 冒頭、日本オラクルの杉原氏は日本や世界が置かれた状況を説明。「2020年には情報量は50倍に拡大し、500億台のデバイスが接続される。26%がイヤな対応をされた時にはつぶやき、86%が取引を中止するという世界が訪れている。日本では2020年には人口の3割が65歳以上の高齢者であり、2020年までに日本の人口は250万人減少する。海外現地法人の数は2万3000社に達している。ITで生産性をどう上げていくかが急務」と切り出した。

 その後、登壇者がそれぞれ各社の取り組みを説明した。

 NTTデータの岩本氏は「いまは第3の波が到来し、情報通信革命が起こっている。それを支えているのがCPU、ストレージ、ネットワークというITの3大要素技術が指数関数的に増加しているという点だ。指数関数というのは、あっという間に大きく変化することを指す。たとえば、あるロボットの歩幅が1歩目に2m、次に4m、その次には8mと2倍ずつ増やしていくと、30歩目には1歩の幅が約100万kmになる。これは地球を25周する距離になる。これと同じような暴力的ともいえる勢いで3つの要素技術が進化している」と現状を語った。

 「NTTデータでは、Technology Forsight 2015として、58の重要課題と237の技術課題を抽出し、近未来の情報社会を情報社会トレンドと技術トレンドに分けて予見している。社会トレンドでは、個の影響力拡大が社会の変革を促進するインディビジュアルなどが重要であり、技術トレンドでは、脳科学や生命科学などの技術も重要であると考えている。われわれは未来の技術や近未来の社会がどうなるかを伝えることができる。これらのトレンドが結びつけば、新たなイノベーションが起きることになる。2014年10月にバチカン図書館所蔵の手書き文献のデジタル画像化するといった取り組みも行ったが、それもその一例だ。社会の期待を超えるイノベーションに取り組みたい」(岩本氏)

 NECの遠藤氏は「地球には深刻な人口問題がある。2050年の人口は現在の1.3倍の90億人になる。最も深刻なのが、70%の人が都市部に住むということだ。これは、今の1.8倍が都市部に住むことになる計算だ。エネルギーは約1.8倍、食糧は1.7倍、水は1.6倍が必要になる。今あるインフラがもうひとつ必要であるという状況にある」と未来を見通した。

 「その一方で、日本の人口は今の60%にまで減少し、60%の人口でいまのインフラを支えなくてはならない。ここにICTが貢献できると考えている。安心、安全、効率、公平という4つの価値を提供し、それに加えて、7つの社会価値創造のテーマを掲げて取り組んでいる。そして、これらは、クラウドやスーパーコンピュータなどによって実現するリアルタイム性、ビッグデータや認識技術などで実現するダイナミック性、SDNなどを通じて、リモートに提供することの3つがキーワードになり、価値を与えていくことになる」(遠藤氏)

 CTCの菊地氏は「ここ数年で日本は100万人の人口が減少したが、私の出身地である秋田県は100万人の人口であり、ひとつの県がなくなったのと同じ。日本で人口が多い順番は東京、神奈川、大阪。この合計人口は3100万人。今後35年でこれだけの人口がなくなると予測されている。しかも、働く人は5割だけで1割は子供であり、あとは高齢者である。こうした状況を解決するのはITである」などと語った。

 富士通の山本氏は「ヒューマンセントリックインテリジェントソサエティが富士通が取り組むテーマ。これによって豊かな未来を実現したい」と同社の方向性を解説した。

 「果たしてクラウドで何ができるのか。富士通では、ICTを活用して、企業を変革するビジネスイノベーションと、社会の問題を解決するソーシャルイノベーションという2つの観点から最適なクラウドサービスを提供する。日本では、社会保障制度が破綻することが懸念され、ICTで医療分野の問題を解決する必要がある。食糧自給率の問題も重要であり、農業クラウドによって今から農業を変えていく必要がある。だが、富士通1社ではすべてを解決できない。エコシステムでインテグレーションをしていく必要がある」(山本氏)

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