人間とはなんと愚かな生き物なんだろう…。YouTubeで公開されはじめたTesla Model Sの自動運転(手放し運転)の映像を目にして、そんな言葉が真っ先に浮かんできた。
こんなことをしていると、次のようなことにもなりかねない……。
オモチャがあれば遊んでみたくなるのが人間の性(さが)。また遊んだ様子を他人に見せびらかしたくなるのも人の性。しかもYouTubeのような代物ができてしまったせいで、見ず知らずの人間にまでそういう見せびらかしが簡単にできてしまうから余計に始末が悪い……。思わずラッダイト(Luddite)になってしまいそうである。
幸い、こういう映像が流布しても「よい子のみんな」が真似してしまう確率はかなり低い――たかだか数万台(約6万台くらい?)しかまだ販売されていない高級なオモチャだからという点と、そして日本だけはこの機能がまだ使えない(*1)――政府から今月「来年には実験に関する指針を示す」という話が出ていたようなので、おそらくそれまで待たせるつもりなのだろか――という点が救いである。
こうした果敢なチャレンジ(Teslaによるベータ版のリリースのこと)を肯定的にとらえる人々、推進派、擁護派みたいな人たちは、「安全だと完全にわかるまで待っていたら一向にらちがあかない」「クラウドソーシングでデータを集めて、ソフトウェア=自動車の頭脳を鍛えていったほうがずっと近道」といったとらえ方をするのかもしれない。
また「普通の自動車だって事故は起こるだろう」「75歳を超えたような高齢者にハンドルを握らせておくのと比べれば…」といった重箱の隅をつつくような屁理屈を持ち出す人も出てくるかもしれない。