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三菱電機、グループ社員約14万人が活用する「グローバルIT基盤」を構築 - (page 3)

大河原克行

2016-10-22 07:00

 そして、グローバル展開の拡大に向けた、新規販売拠点、新規生産拠点の早期展開を実現する「IT基盤提供の迅速化」においては、「グローバル展開を対応し、業務プロセスやシステムを定型化および標準化して、事業運営の効率化と拠点展開の負荷低減を実現することが求められている。初期投資を抑えながら、スケーラビリティの高いクラウドサービスを採用することが必要である」とした。

 情報共有、メール、コミュニケーション機能を提供するOffice 365と、Azureで動作する上長承認および自動暗号化機能に加え、重要情報保護を行うため社内に設置しているプライベートクラウドである三菱電機グループネットワークとを結んだハイブリットクラウド環境を実現。クラウド間をMulti-Cloud Connectによる閉域接続で結んでいる。「Office 365の閉域網接続、各海外地域を結ぶグローバルネットワークの再構築をNTTコミュニケーションズが担当している」という。

 「今後は、グローバルを含めたネットワークのさらなる品質向上、コスト低減を図り、クラウド認証基盤を活用した社内外クラウドの活用促進を進める」とした。

 ちなみに、ここで取り組む業務プロセスやシステムの定型化および標準化は、積極的なM&Aを視野に入れたものというよりも、グローバル拠点の増加にあわせた取り組みだという。

 「海外に新設する拠点は少人数でスタートすることが多く、ITの専門家を配置できる環境にもない。ネットワークにつなげば最低限の仕事ができるといったような環境を作り上げることが必要。グローバルIT基盤の上に、アプリケーションを乗せるだけで使える環境を実現するのが狙い」とした。

 だが、ハイブリッドクラウド環境への移行において、リスクはなかったのだろうか。

 同社では、「もともとグローバルIT基盤の構築においては、オンプレミスでの構築を前提としていた。社内には、パブリッククラウドの活用についてのリスクを懸念する声もあった。しかし、世の中の流れがパブリッククラウドへと移行し始めたり、事業部門側でもパブリッククラウドの活用がはじまってきた。そこで重要な情報はプライベートクラウドに置き、それ以外の情報は外に出して共有する形にした。これがリスクヘッジという観点でももっとも効果があると考えた」とする。

 Office 365およびAzureを選択した理由として、グローバルで標準化したクラウドサービスであること、堅牢性の高さ、そしてグループ全体でOfficeを活用し、数多くの社内資産があったことで、移行がしやすかった環境も見逃せない。

 一方で、SaaS型サービスを活用するため、サービス提供側が主導となって機能が強化されるため、それにあわせてシステムや運用も変化しなくてはならない点は、ひとつの課題だろう。

 「これまではすべて自前でやってきたが、外部のサービスを活用することで、経験しなかったことが起こる可能性もある。ユーザーの声を聞き、細かい部分まで対応していたものができるなくなる場合もある。また、機能強化のスピードが速いことはユーザーにとっては大きなメリットではあるが、そこにどう対応していくかがIT部門にとっては課題になる。これまでにはないスピード感が求められる」とする。

 特に、三菱電機では、上長承認と自動暗号化機能といった付加機能を活用しており、これが、長期的にOffice 365との親和性を維持することができるのかといった不安は常にあるという。

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