三菱電機の木槻執行役員は、「グローバルIT基盤の導入によって、集約効果、生産性向上、セキュリティ対策運用負荷の低減などにおいて、2020年には、約20%の費用効果が見込まれる」と試算する。
さらに、「メールへの添付ファイル抑制によるメール誤送信に伴う社外への情報漏えい抑止」、「グループ内拠点間コミュニケーションの強化」、「新規拠点立ち上げ時におけるIT基盤サービス提供の迅速化」などが図れるという。
こうした定量的、定性的な効果が見込まれる一方、三菱電機の木槻執行役員は、今後のIT戦略の上で重要な布石になると指摘する。
「もともと三菱電機は組織が縦割りであり、情報システムも縦割りであった。極論すれば、300拠点がそれぞれに独自に展開していた。これらのファイルサーバーを見直せば、それにより集約効果が図れ、コストダウン効果もある。また、ユーザー認証の統一、ファイル保管の統一、セキュリティレベルの統一などが図れるようになる」と前置きし、「グローバルIT基盤への取り組みは、縦割りの情報システムを見直す動きへの第1歩になる。統一することの成果が理解されれば、基幹システムについても共通サービスの方が、メリットがあるという判断も働くはず。社内の情報システムの横通しに踏み出すきっかけにもなる」
グローバルIT基盤の成果は、三菱電機グループの今後のIT戦略の方向性を見極める上でも重要なものになるというわけだ。
三菱電機の木槻執行役員は、「今後も継続的にグローバルIT基盤の強化に取り組み、グローバル展開の強化、事業成長に寄与していく」とする。
創立100周年を迎える2020年度の売上高5兆円以上、営業利益率8%以上の達成を下支えする基盤になるのは間違いない。