次に求められるFinTechの領域
藤井氏:最初は未来志向過ぎて、社内では理解されないことが多いかもしれません。でも、そうしたビジネスモデルやテクノロジが、1~2年経つとヒットするケースがあるのです。
三菱UFJフィナンシャル・グループデジタルイノベーション推進部シニアアナリスト 藤井達人氏
われわれが運営するアクセラレータも、比較的シュアなビジネスをやろうとしている人たちと、今はなかなか理解されないけれど見ておく必要がある領域の人たち両方に参加いただくようにしています。
時代も早く進むので、今理解できる人よりも、少し先を行っているような人たちと組み始めると、そういう人たちがいろいろなものを作って動くころにちょうど良くなる部分がありますね。
大平氏:藤井さんみたいな、チャレンジする人が大企業にいないと成り立たないですよね。
大久保氏:確かにソラコムとの協業(IoT機器によるセキュアな決済を実現するためのプラットフォーム構築に向けた研究開発)を初めて社内で展開したときには理解者が少なかったですが、その少数派とビジネスモデルをしっかりと練ることで、社内外の環境も整っていったという感じです。
大平氏:時代が追いついてきましたよね。
藤井氏:FinTechのなかで非常に市場規模が大きくて期待されているのは、金融機関の効率化のところだと思います。
そのあたりの領域を狙うスタートアップは多分日本でも出てくるでしょう。あとは、B向けのFinTechが日本ではまだ少ないですね。
海外のFinTechスタートアップを見ていると、多くのファウンダーは金融機関出身で専門知識をもっていて、その領域で起業しています。日本でも今後そうなっていくかもしれません。
大平氏:人材流動化を図りたいですね。