ハードから読み解くITトレンド放談

プロセッサから見るサーバトレンド--Intel Xeon編その2 - (page 3)

山本雅史 2017年06月26日 07時00分

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E7/E5とはコンセプトが異なるXeon E3

 1ソケット向けのXeon E3は、E7/E5と少しコンセプトが異なる。

 Xeon E7/E5は、サーバ向けに開発されているため、デスクトップのCoreプロセッサとはリリースサイクルが異なり、概ねXeon E5が最新のデスクトップ向けCoreプロセッサがリリースされた翌年に、Xeon E7は開発スケジュールによってXeon E5の半年~1年後にリリースされている。このためサーバ向けプロセッサとしてのE7/E5は、デスクトップ向けのCoreプロセッサに比べると、1~2世代古い。

 しかしXeon E3は、ハイエンドのデスクトップCoreプロセッサをそのまま流用しているため、新しい世代のE3プロセッサは、デスクトップCoreプロセッサのリリースから時間をおかずにリリースされる。コア数も4コアだったり、GPUを内蔵していたりと、スペックだけを見れば、デスクトップCoreプロセッサとほとんど変わらない。2017年6月現在、KabyLake世代のXeon E3が、デスクトップ向けのKabylakeがリリースされた2017年1月に発表されている。

 こうした点からXeon E3は、サーバ向けというより、ワークステーション向けに利用されていることが多い。また、サーバーベンダーは、サーバのプロセッサモデルとして、コンシューマー向けのPentiumやCore i、Xeon E3などを選択できるようにしている。基本的には、プロセッサのピン数などが同じであることから、プロセッサを入れ替えるだけで動作できる。

 Xeon E7/E5/E3がサポートするソケット数(プロセッサ数)は、ライバルとの競合関係からモデルを拡張してきた。しかし2017年になり、Intelは次世代Xeonについて、ブランド名を含めたファミリーを再編成すると発表している。これによって、現在のラインアップがもう少し整理されるだろう。だた、多くの企業では2ソケットのXeon E5をメインに使用している。Xeon E7やXeon E3などに関しては、あまり気にしなくてもいいかもしれない。

 Xeon E7は、UNIXメインフレームなどのリプレースで採用されることが多い。Xeon E5 4XXXシリーズやXeon E5 2XXXシリーズは、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Googleなどのクラウドサービスでの使用が主流となっている。最近ではIntelに対して、コア数、消費電力、動作周波数などを指定したスペシャルなプロセッサを提供してもらうようになっている。このあたりは、膨大な数のサーバを導入するクラウドサービスプロバイダーならではのメリットといえよう。

 一方の企業は、どのプロセッサを採用したサーバを選べばよいのだろうか。 サーバを一新するのは、企業で使用しているITシステムの更新時となる。コストを考えると、メインフレームなどのシステム更新と同じように、サーバやストレージ、ネットワークなどのハードウェアコストとアプリケーション開発のソフトウェアコストを一時期に集中させるのは得策ではない。

 最近では、仮想化やプライベートクラウド、パブリック クラウドサービスなどさまざまなプラットフォームが提供されている。絶対に必要なデータやアプリケーションだけを社内のデータセンターで動かすと考えれば、社内に設置するサーバ台数も最小限になるだろう。

 そもそもx86サーバ自体は、10年も20年も使い続けるモノではない。4~5年でリプレイスしていく。プロセッサやメモリの性能が上がったり、新たに高速なSSDなどが出てきたりと、ストレージやネットワークの分野でも進化が激しい。だからこそ全てのハードウェアを一新するのではなく、ブロックのように必要なパーツだけを購入して古いサーバをパフォーマンスアップしたり、一部のサーバをリプレイスするようにして、全面的なシステム更新ではなく徐々に更新していくようにしたりするべきだろう。管理面からも新しいサーバを追加する際に同一製品を選びがちだが、今後はその時点で最もコストパフォーマンスに優れたサーバを購入、管理していくべきだろう。

 このように考えると、実はプロセッサブランドではなく、どういった用途に使うかでプロセッサを選ぶべきといえる。多くの場合、E7ではなく E5の2XXXシリーズ(2ソケット)でも十分だ。ハイパーコンバージドインフラ(HCI)などなら、1ソケットサーバで十分なケースもある。コア数や動作周波数に関しても、極端に多くのコアが必要なのか、高い動作周波数が必要なのかバランスを考えるべきだ。

 サーバをシステムとして見れば、高速なメモリ、高速なSSD、ネットワークなどのバランスをとることが必要になる。一般的な企業では、ピーキーなシステムよりも、バランスのとれたサーバが重要だろう。ただし、ビッグデータの解析や機械学習や人工知能(AI)の開発といった特定の用途があるなら、ピーキーなシステムも求められる。新しいサーバを購入する時に、経営的なバランスも考えることがポイントになる。

(編集部注:本記事では予想を含むため、製品化された場合に記事と異なる場合があります。)

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